2009年01月02日21時34分掲載
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二極化社会を問う
「派遣村」 厚生労働省に対しての緊急申し入れ 厚労省は講堂を開放
年越し派遣村実行委員会は2日、現地の日比谷公園の目の前の厚生労働省に対して緊急申し入れ書を提出した。申し入れに応え、厚生労働省は5日朝まで、厚生労働省の講堂を宿泊のために開放する。以下、申し入れ書の全文である。(村上力記者)
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緊急申し入れ書
2009年1月2日
外添要一厚生労働大臣殿
派遣村 村長 湯浅 誠
派遣村 村民一同
すでにご承知のとおり、私たちは12月31日より、いわゆる「派遣切り」被害にあった人たちの生存を確保するための「派遣村」を開設しています。
開設当初より、「派遣村」には仕事も、住居も失った被害者たちが続々と押し寄せ、「派遣村」の村民となった人たちは初日で139人、2日目の1月1日には240人を超えました。今後も続々と増えることが予測され、「派遣村」のキャパシティは限界に達しつつあります。
日本の産業を支えてきた労働者たちが、不況に陥るや非正規だからといって、行くあてもない、まるでモノのように捨てられていく惨状には、「派遣切り」を率先して行ってきた大企業に対し、また財界の言いなりになって労働者派遣法の規制緩和を進めてきた政府に対する強い憤りを感じます。
年末年始がこのような事態になることは、以前から予測され、かつ警告されていました。だからこそ私たちは「派遣村」を開設しました。しかし、手弁当の民間団体・労働組合では資金・人材等々において限界があり、この日比谷公園は一帯がテント村と化しつつあります。貴殿は、支援なしにはこの年末年始を生き延びることさえできない「派遣村」村民を無為無策のうちに見殺しにするつもりでしょうか? 本当に緊急事態だという認識を持っているでしょうか?
人々の命をあずかる厚生労働省のトップにいる貴殿に対し、以下緊急に申し入れます。時間はありません。死者が出てからでは遅い。即座に責任ある対応を取るべきです。
一 今日(1月2日)中に、1月5日までのシェルター(緊急避難所)を開設・開放し、「派遣村」村民、および行き場を失った人々の寝場所と食事を提供すること。冬休み中の体育館、厚生労働省ロビーなど既存施設を活用すれば、できるはずです。
一 1月5日以降の居所を用意すること。すでに80人以上の人々が、仕事も居所も所持金もなく、5日の官庁仕事始めと同時に生活保護申請を行わなければならない状態にありますが、管轄の千代田区内には宿泊施設が十分にありません。公営住宅・官庁宿舎・議員宿舎の開放など即座に必要な措置を取る必要があります。
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