2009年01月05日22時56分掲載  無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=200901052256391

イスラエル/パレスチナ

《Message from Gaza ガザからの叫び》 嘆きと悲しみと死と 2009年元日のガザ

◆嘆きと悲しみと死と 2009年元日のガザ 
2009年1月1日 6:34PM 
 
  2009年元日のガザはどのような姿か? 
 
  死がガザを覆い尽くしている。嘆きと悲しみが2009年という新年の挨拶なのだ。 
 
  血と大量の死体の匂いがする!毎分のように悪い知らせが新た  に届く。 
 
  爆発音、爆撃、ミサイルの飛来音、崩壊、荒廃、イスラエルの無人機、 
 
  アパッチヘリその他の軍用ヘリ、F16型戦闘機、足元を揺るがす大地。 
 
    破壊の跡がいたるところに。死体、千切れた四肢、泣き叫  ぶ子ども、 
 
  幼子や夫を探し求める母親。 
 
  どこに行けばいいのか、どこに隠れればいいのか、誰にも分からない! 
 
  イスラエルの攻撃のもとでは、安全な天国などどこにもありはしない。 
 
  市民社会の施設さえ標的にされた。法務省、教育省、文化省が破壊された! 
 
  モスクも手ひどくやられた。うち6つは過去のものになってしまった。 
 
  これらモスク周辺の何十という家も蹂躙され、粉砕された。 
 
  人々は死に、また傷ついた。今日、2009年1月1日までに、攻撃で2000人以上が負傷し、 420人以上が殺された。この数字には50人を上回る子どもたちが含まれている。 
 
  今日、ガザ市だけで、20回以上の空襲が実行された!最後の攻撃で、 
 
  ジャバリーヤ難民キャンプの4階建ての建物が破壊され、少なくとも15人が殺され 
た! 
 
 
  このメッセージを書いているさなかにも、ガザ市北部、シェイフ・ラドワーンで5階建ての建物が数分前、イスラエルの軍用機によって粉々に破壊されている! 
 
  爆撃についてこれ以上、書き続けることができない、たった今、3回目の大爆発が起こった! 
 
 
 
◆ガザが再び燃えている 
2009年1月1日10:45PM 
 
  法務省(新築)、教育省(新築)、囚人問題省、立法評議会(新築)、両替所3軒、モスク3つ、民家3軒、移動中の車2台、そしてその他の建物も、空と海から、二度、三度と攻撃された。古い地元の石鹸工場も今朝、攻撃された。 
 
  無人機とF16が何機か今まさに空を飛行中だ。朝には20機もの航空機が空にあった。昨夜、ガザの人間は1分たりとも眠れなかった! 
 
  イスラーム大学のイスラーム研究の教授でハマースの指導者であるニザール・ライヤーン博士が今日、殺された。F16がジャバリーヤ難民キャンプ中央部にある彼の4階建ての自宅を爆撃したのだ。彼の4人の妻たちと9人の子どもたちもいっしょに殺された。これまでの捜索で彼の家族14人が瓦礫の下敷きとなっていることが判明している。同地区の住居多数が大きな被害を受けている。 
 
  いくつかは人間が暮らせる状態ではなくなってしまった。 
 
  ライヤーン博士は前にイスラエルが侵入したとき、戦闘で息子二人を亡くしていた! 
 
  あらゆる形で、毎分のように、ガザが再び燃えている! 
 
 
◆真夜中のガザ 
2009年1月2日 1:41AM 
 
 
  完全な暗闇だ。ガザ市内の80%以上がすっかり闇に覆われている。 
 
  この暗闇のなかでは自分の指さえ見えない! 
 
  現地に住むアブデルワーヘド教授が当地の現状を電子メールで世界に発信しています。電気も途切れた中、ディーゼル自家発電に頼りつつ、断続的に。その貴重なメールから、元日のガザの模様をお送りする。メールはイスラエル軍の爆撃におびえる子どもたちの様子を伝える。「 ・・・子どもたちがベッドから飛び上がる。恐がって・・・震え上がって・・・不安そうに・・・どうしたらよいか分からずに!どこかに身を隠したい、でも、行くところなどないのだ」。訳は岡真理さん。(ベリタ編集部:大野和興) 
 
  一方、家の外では、無人機が頭上で唸り、軍用ヘリが空を徘徊している。 
 
  家のなかに目を戻せば、子どもたちは就寝時間になっても床につきたがらない! 
 
  悪夢や爆撃、爆発を恐れているのだ。当然のことだ! 
 
  ルーティンとなった航空機の音が6日以上にわたり昼夜を問わず続いていたが、それが突然、消えた。・・・爆発音。・・・継続する爆発音。・・・一連の爆発。・・・ほかにも身の毛のよだつ爆発が複数。・・・爆風・・・遠くで燃え盛る炎。 
 
  ・・・子どもたちがベッドから飛び上がる。恐がって・・・震え上がって・・・不安そうに・・・どうしたらよいか分からずに!どこかに身を隠したい、でも、行くところなどないのだ。 
 
 
  まるでマットレスの下で爆発音がしているみたい、どうしたらいいの?と再び訊ねる。ただ待つしかないんだ!だが、どうしたら子どもに待つことを納得させられるだろう?しかも、何を待つというのだ? 今度は、救急車と消防車のサイレンが聞こえてくる。それでようやく我にかえる。自分がガザにいて、小さな発電機を動かして2009年新年に世界に向けてメッセージを書いているのだということに。 


Copyright (C) Berita unless otherwise noted.
  • 日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
  • 印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。