2009年01月06日00時09分掲載
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イスラエル/パレスチナ
ガザ攻撃のイスラエル軍、クラスター爆弾や劣化ウラン弾を使用か
12月27日の空爆で始まったイスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザへの攻撃は、1月3日からのガザへの地上侵攻で新たな段階に入り、子どもを含むガザ住民の犠牲者は日を追って増大している。このガザ攻撃でイスラエルは非人道的武器として世界で非難されているクラスター爆弾や劣化ウラン弾を使用しているという強い疑いが浮上してきた。(ベリタ編集部:大野和興)
◆クラスター爆弾使用とイスラエル民間テレビ
1月5日付けの毎日新聞は、次のように報じた。
「イスラエル放送などによると、ガザ地区との境界に集結していた戦車・歩兵・砲兵部隊など数千人が北部、東部、南部の3方面から侵攻して地区を分断。ロケット弾発射拠点や幹線道路を制圧して主要都市ガザ市を包囲した。同市近郊で激しい戦闘が展開された」
「地上侵攻に先立ちイスラエル軍は境界からガザに砲撃を加え、イスラエル民間テレビ・チャンネル10は不発弾による市民被害の深刻なクラスター爆弾が使用されたと伝えた。ガザへの空爆、海上からの砲撃も続いた」
地雷廃絶日本キャンペーン(JCBL)はクラスター爆弾について次のように述べている・
「クラスター爆弾は、たくさんの(数個から2000個位)小さな爆弾を入れた親爆弾を目標の上空で爆発させて子爆弾を広範囲にばらまき、それらが地表に到達すると一斉に爆発するように設計されている兵器です。つまり、ばら撒かれた子爆弾のどれかが目標に当たればよいというものなので、目標の近くに一般市民がいれば巻添えを食うことになりますし、目標に命中しなかった子弾の数十%は不発のまま地上に転がるか、木の枝に引っかかって残り、戦闘行為の終了後にも一般市民を脅かしつづけます」
非戦闘員に重大な被害をもたらすクラスター爆弾を禁止しようと、NGOらの呼び掛けで始まった禁止条約(通称オスロ条約)は、次第に賛同国を広げ、2008年12月に、日本を含む94カ国が調印した。しかしイスラエルは入っていない。
◆劣化ウラン弾使用か?
一方、重大な放射能汚染を撒き散らす劣化ウラン弾についても、イスラエル軍が使用しているという疑いが、国際NGOの間で広がっている。イスラエルによるガザ空爆で、劣化ウランを含むGBU 39、いわゆるスマート爆弾が投入されているのではないか」との懸念が、ICBUW(ウラン兵器禁止を求める国際連合)のメンバーの間で指摘されているというのだ。
www.planetenonviolence.org にアップされている記事(タイトル:「ガザにおける、劣化ウランによるジェノサイド」)では、冒頭、「今朝、イスラエルのプレスは、ガザ地域の標的を攻撃するために劣化ウランを含むGBU 39を使用している空軍のテクノロジー的功績を自慢した」とあり、また、段落の最後は、「エジプトとの国境近くでトンネルを破壊するために最近行われた空爆は、SS(シオニスト兵士)軍のある将校によると、劣化ウランを含むGBU 39を用いて行われた」とある。
また、YouTubeにアップされているビデオ・クリップ(初めてガザ地域に入ることを許可されたノルウェー人医師の報告))につけられたコメントには、"He also mentioned that these bombs appear to be radioactive as well." 「これらの爆弾は放射性でもあるようだとも言及していた」とある。残念ながら、現在アップされているクリップは一分ほど短くされてしまっていて、この言及はカットされてしまっている。
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