2009年08月10日13時55分掲載  無料記事
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社会

日本社会に浮上した差別と排外主義にどう向き合うか  8月14日、都内で市民グループが集会 

  「在日特権を許さない市民の会」(在特会)など、最近目に付き始めた差別と排外主義をあおりたてている“草の根右翼”に対抗する市民グループの運動が動き出した。8月14日、東京・文京区の文京区民センターで「ヘイトスピーチは許せない!『行動する保守!?』にどう向き合うか」集会がもたれる。集会は午後3時から9時まで。「行動する保守」の実態を映像で見た後、各地でこれまで取り組まれてきた「在特会」などへの対抗運動の報告がある。また、各市民グループや個人によるリレートークと「排外主義を封じ込めるために」と題して参加者をまじえた討論を行う。主催の集会実行委員会は「在特会に止まらず、広範な日本社会の差別・排外主義に対して打って出る内容としたい」としている。(村上力) 
 
  日本の侵略戦争を美化する「新しい歴史教科書をつくる会」などの動きに触発されながら、いま日本社会に排外主義が広がり、噴出している。最も象徴的なのが、草の根運動として誕生した「在日特権を許さない市民の会」で、これに危機感を感じた市民グループが、「在特会」に対抗する形で、埼玉・蕨(4月11日)、名古屋(5月2日)、京都(6月18日)、大阪(7月18日)、福岡(7月20日)と、全国的に行動を起こした。8月14日の集会は、フィリピン人カルデロンさん一家を「日本からたたきだせ」と一家が住む蕨市でデモをした在特会に対抗して行動を起こした首都圏の市民グループが中心となって準備してきた。 
 
  この間、在特会などの運動は、8月1日から3日にかけ三鷹市で市民グループが開いた「親子で平和を考える催し」に押しかけ、妨害行為を仕掛けたり、8月8日の富山市で市民グループが開いた「戦争と女性の人権を考える集い−私たちの戦後責任−」に後援団体として名前を出した富山市に圧力を掛けて、後援を取り消させたりと、あわただしさを増している。 
 
  8月14日の集会は、普通の市民がこうした草の根排外主義にどう向き合うかを考えるきっかけとしたいと準備されてきた。集会実行委員会は、次のような呼びかけを発している。 
 
以下、集会呼びかけ文―― 
 
  『行動する保守』を自称し、街頭でヘイトスピーチをまき散らす動きが現れています。「在特会」に代表される彼らは、外国籍の住人に「特権」にまもられた「犯罪者」であるというレッテルを貼り、排外主義や差別の感情をあおり立てています。 
 
  しかも、この扇動に「共感」を示す人の数も増えつつあります。彼らは外国人家族や、奪われた尊厳や権利の回復を求める人たちに個人攻撃をしかけています。このただの弱いものいじめを呼びかけ、実行することで満足や解放感を得る人々が登場しているのです。 
 
  私たちは、これらの動きをいずれ消えていく動きとして放置してよいのでしょうか。彼らの行動や言動が、私たちの社会に根ぶかく続いている排外主義、他者を押し殺す社会のありようの戯画であるなら、それに何らかの手を打っていくべきではないでしょうか。この社会に生きるものとして、この動きに正面から向き合うことが今こそ求められていると思います。 
 
  私たちは4月11日に埼玉県蕨市で行われた「在特会」による外国人排除デモへの抗議行動をきっかけに集まり、この問題について話し合ってきました。またこの間、各地で「在特会」のヘイトスピーチに対抗する行動が取り組まれています。これら対抗行動の様々な経験と出会い交流し、排外主義を封じ込めるため、今後何をするべきなのか、皆さんと広く話し合う機会を持ちたいと私たちは考えます。この集会への多くの方の参加を期待します。 
 
2009年7月21日 
「ヘイトスピーチは許せない!『行動する保守!?』にどう向き合うか」集会実行委員会 
 
 
8.14集会の連絡先と情報は以下です。 
連絡先:llivingtogether09(@)gmail.com 
ブログ:http://livingtogether.blog91.fc2.com/ 


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