2009年08月16日07時43分掲載
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「ヘイトスピーチは許せない。『行動する保守!?』とどう向き合うか。」 当事者を交えた活発な意見交換も
八月十四日、文京区民センターで「ヘイトスピーチは許せない。『行動する保守!?』とどう向き合うか。」と題した集会が行われた。これまで、新興の保守系市民団体「在日特権を許さない市民の会(以下、在特会)」を中心とする「行動する保守運動」が街頭で繰り広げている主張を「民族差別」「ヘイトスピーチ」であるとして対抗する行動が、埼玉、名古屋、京都、大阪、福岡などの各地で市民団体らによって行われていた。この集会は、これまでの各地での対抗行動の経験交流や、「行動する保守運動」が勢いを増していることに対する在日コリアンなどの当事者の意見などを聞き、どう向き合うべきかを模索するもの。集会には200人ほどが参加し、「行動する保守」らが台頭している現状への様々な視点が聞かれた。(村上力)
集会は二部制で、第一部では、各地で「行動する保守」へ対抗行動を行った人々が、現場の状況や行動への思いを話した。登壇したのは、4月11日に埼玉県蕨市で、「在特会」が主催した「犯罪外国人・犯罪助長メディアを許さない国民大行進 in 蕨市」への対抗行動を行った「外国人排除デモに反対する会」、6月13日に京都で「在特会」が主催した「外国人参政権断固反対!京都デモ」へ対抗行動を行った「外国人排斥を許さない6・13緊急行動」、7月18日に大阪鶴橋で、「救う会大阪」が主催し、「在特会」関係者らが参加した「許していいのか、北朝鮮の横暴! 大デモ行進」への対抗行動を行った「在特会・救う会などの差別・排外主義を許さない集会・デモ in 鶴橋」、7月20日に福岡で「在特会」が主催した「外国人参政権断固反対!福岡デモ」への対抗行動を行った「排外主義によく効く表現行動」などで、「在特会」らへの対抗行動の火蓋を切り、この集会の企画に関わっている「外国人排除デモに反対する会」からは、「行動する保守運動」に関する分析も行われた。
第二部では、「行動する保守」や、そのほか右翼などの主な攻撃対象とされている人々、「従軍慰安婦」問題パネル展などを行ってきた活動家、難民支援者、在日コリアンの団体などが、この「行動する保守運動」や、民族差別が街頭で主張されること、日本政府の差別的な政策などへの意見を話した。
集会参加者からの発言の時間もとられ、今後の運動の方針に関してなどの発言がされた。参加者の一人は、民族差別を取り締まる法制度と、それを作るための政治の必要性を説いた。在特会らの運動には、一部にインターネットの匿名情報を鵜呑みにしてしまったいわゆる「ネット右翼」への対処として、インターネット戦略の必要性なども聞かれた。
当初危惧されていた右翼などによる集会の妨害もなく、盛会に終わった。
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