2009年11月02日11時44分掲載  無料記事
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社会

拉致解決「圧力と圧力で」と中井拉致問題担当大臣、「拉致問題を考える自治体フォーラム」で講演 

  拉致問題担当大臣と国家公安委員会委員長を兼任する中井洽氏は10月31日、埼玉県内で行われた拉致問題に関する自治体主催の講演会で、「(拉致解決のために)私はただひたすら、『圧力と圧力』で、圧力をかけつづける」と述べ、自身の拉致問題への取り組みの姿勢を示し、また朝鮮総連関連施設への拉致に関する捜査の開始も示唆した。この講演会「拉致問題を考える自治体フォーラム」は川口市が主催。共催は「拉致問題を考える川口の会」で、埼玉県などが後援。各自治体の市長や、「家族会」会長の飯塚繁雄氏、「救う会」会長代行の西岡力氏なども講演した。政権交代してからというもの、各界を席巻している「友愛」なる言葉とは裏腹に、拉致問題などの日朝間に横たわる問題の前途は、制裁一辺倒で相変わらず殺伐としたものとなりそうだ。(村上力) 
 
  中井洽氏は、鳩山政権の拉致問題への取り組みに関して「総理は『対話と圧力』とおっしゃりますが、私はただひたすら、『圧力と圧力』で、圧力を掛け続けます。こういう形で、突破口を開いていきたい」と意気込んだ。また、中井氏は国家公安委員会委員長として、警察に朝鮮総聯関連施設への捜査を要請しているという。 
 
「国家公安委員会委員長という立場から、警察に対しては『拉致問題の捜査を徹底的にやり直すべきだ。特に拉致問題に関して、朝鮮総聯グループと言われる人達の容疑が何一つ上がってこない。それらを見過ごしてきたと言われてもしかたがないじゃないか。今からでも、どんな方法を使ってでも真相を明らかにしてくれ。こんなことを見逃して、日本国内でのうのうと生活をされたのでは、日本人はたまらない』。このことを強く申し上げてきているところでございます」 
 
  衆議院「海賊・テロ」特別委員長の石田勝之氏は政府の拉致問題への取り組みを「いままでは広報活動を中心に運動を展開し、そういったことに重点が置かれてきたわけでありますが、政権が変わって、今までのやりかたではなく、やはり情報収集に力点を置いておかなければならない」として、いまの拉致問題対策本部は「情報収集を幅広く国内外で行っていく」と述べた。 
 
  かつて、「税理士法違反容疑」などを口実にした政治的弾圧ともいえる強制捜査が朝鮮総聯関連施設に加えられたが、捜査の担当したのが公安外事二課であることから、この捜査が「情報収集」を視野に入れたものであることは間違いない。(※【関連記事】参照)このことを想起すれば、この政権でも在日朝鮮人に対する不当な人権侵害が発生する危険性が高い。 
 
  講演では「家族会」代表の飯塚繁雄氏、「救う会」会長代行の西岡力氏などが、北朝鮮に関する分析や民主党政権への要望などを述べた。この講演会は、川口市が主催し、共催に「拉致問題を考える川口の会」、後援は、埼玉県、「救う会・埼玉」、「田口八重子さんを救う会」となっている。講演会の呼びかけ人である川口市長の岡村幸四郎氏や、新潟県柏崎市副市長の山田哲治氏、佐渡市長高野宏一郎氏、福井県小浜市長松崎晃治氏など、自治体の役員が集まった。 


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