2009年12月04日00時24分掲載  無料記事
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反貧困

大阪で生活保護申請の非正規労働者が逮捕・起訴される 

  生活保護を申請した非正規労働者が職務強要罪に当たるとして逮捕されるという事件が大阪であった。「関西非正規等労働組合ユニオンぼちぼち」は事の顛末を声明の形で発表すると同時に、不当逮捕を訴え、法廷闘争のためのカンパを募っている。(日刊ベリタ編集部) 
 
  同労組の訴えによると、10月27日朝、組合員であるA君は、いきなりやってきた大阪府警によって家宅捜索をされ、職務強要罪で令状逮捕された。29日に送検、勾留延長もされ11月16日に起訴されてしまった。 
 
  「ユニオンぼちぼちのブログ」によると、そのごの顛末は以下の通りだ。 
 
http://unionbotiboti.blog26.fc2.com/ 
 
  A君は福祉事務所から生活保護を受給していました。結果的に受給は出来ていたものの申請にあたっては大変な困難が伴った末の保護決定でした。 
 
  勤務先で散々社長に罵られた挙句に不当解雇に合い、組合に相談にやってきたことがA君と組合の出会 いだった。A君は労働法などを一生懸命勉強し、自分が争議の中心になって会社との交渉を行ってきました。しかし生活面は安定したものと言える状態にはな く、生活保護を申請することになりました。 
 
  本来、困った人のために相談にのり、サポートするのが仕事であるはずの福祉事務所の対応はとても冷たいものでした。そのことに A君は不安を募らせていきました。そして残念ながら、当初の保護申請は却下されてしまいました。困ったA君は再度申請を行おうとしましたが、福祉事務所は 素直に取り合ってはくれません。やむにやまれず自分の部屋からビデオカメラを持ってきて、福祉事務所の職員に訴えました。「生活保護の申請をさせて下さ い!」 
 
  2ヵ月半後、この時の行為が職務強要罪の容疑にあたるとされ、A君は逮捕されました。 
 
  しかし組合員が一緒に福 祉事務所に話に行くと保護が支給されることが決まり、逮捕までの2ヵ月半の間A君は無事に保護生活を送っていました。逮捕の2日後、ユニオンぼちぼちの大 阪事務所が家宅捜索されました。念のため付け加えておきますと、生活保護を受給する資格がないのに恐喝して違法に受給をしたという容疑ではありません。そ の証拠に現在も保護は廃止(取り消し)ではなく、逮捕・勾留による停止という状態になっています。職員の冷酷な対応を受け、やむにやまれずカメラを回しな がら訴えたことが容疑とされているのです。その後、その映像が公開さたことはありません。 
 
  勉強熱心なA君は逮捕前、生活保護を抜け出すために国の新しく始めた職業訓練制度を使い訓練学校に通い始めていました。入学のための選考試験は簡単なものではなく、時には落ち込むこともありました。 しかし何度かの不合格を乗り越え、ようやく入学することが叶ったとき、私たちは手を取り合って喜んだものです。資格取得を目指して学校に通うことはA君に とって生きる張り合いになっていました。身近で様子を見聞きしてきた私たちは、その生活がとても大切なものであるということを感じていました。しかし、ようやく安定して学校生活に通えるようになった矢先に、突然逮捕されてしまったのです。A君は無実です。逮捕・起訴・勾留によって学校生活もメチャクチャに されてしまいました。このままではA君は出席不足による退学処分になってしまいます。 
 
  私たちはA君の即時釈放を求めています。 
  そして裁判では必ずA君の無罪を勝ち取らなければなりません。 
  また、この事件で有罪の判例を出させてしまったら、労働運動や社会運動においてビデオカメラを使うこと自体が抑制される恐れがあり、到底容認できるものではありません。 
  心を寄せてくださる皆様には、未曾有の失業の嵐のなか大変心苦しい限りではございますが、この闘いへのカンパを寄せて頂くようお願い致します。 
 
 
< 職務強要罪>:公務員に対して、「ある処分をさせる目的」、「ある処分をさせない目的」や「公務員の職を辞させる目的」のいずれかをもって、暴行または 脅迫を加えるというもので、「3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金」。 


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