2010年01月06日00時13分掲載
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喜多幡佳秀のアジア&世界
イスラエルの農場で移住労働者を搾取 人権団体が報告
人権グループ「カブ・ラ・オベッド(労働者ホットライン)」の報告によると、イスラエルの農園で雇用されている約3万人の移住労働者は仲介人に数千ドルの斡旋料を支払っているが、受け取る賃金は最低賃金以下で、超勤手当もごまかされている。移住労働者の多くはタイ、ネパール、スリランカとパレスチナ占領地から来ている。
このレポートは、この労働者たちが「イスラエルでもっとも搾取されている労働者」であると述べている。レポートは農民や農業関連企業が求めている雇用許可枠の拡大に関する国会での審議の前に国会に提出される。
またレポートは次のように指摘している。「農民は雇用許可枠拡大を求めているが、彼らの大部分は労働者の最も基本的な権利を侵害している。大部分の移住労働者は法定労働時間を超えて働いているが超勤手当を受け取っていない」。
このレポートは、ボランティア数十人により、数百人の農業労働者と全国の農園での聞き取り調査に基づいている。それによって次のような事実が明らかにされている。
「タイの農村から来る労働者は、タイとイスラエルの仲介業者に8千〜1万Jを払っている。イスラエルに来るとすぐに遠隔地や孤立した場所へ送られ、イスラエルの法律の基本的な規定について知る機会がない。特にタイからの労働者の場合に多い不満は、数カ月にわたる賃金差し押さえや、自宅へ直接送金され明細を知らされないというものである」
また、休日が月に1日だけ、あるいは有給休暇がないケースもあり、パスポートを取り上げられるケース(違法である)もある(「口イター」10月27日付)。
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