2010年03月31日12時25分掲載
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普天間問題
普天間・辺野古問題を全国民の課題にしよう 沖縄・緊急意見広告で記者会見
米軍普天間基地閉鎖と辺野古を含む県内移設反対を訴える緊急意見広告運動についての記者会見が3月30日開かれた。会見には発起人7人のうち6人と呼びかけ人2人が出席、それぞれの立場から普天間基地「移設」をめぐる政府の動きを批判、同時にいまこそ基地のない沖縄を実現する絶好の機会であること、そのためには基地をなくする闘いを沖縄の人びとだけに任せるのではなく、全国の人びとが自分の問題としてこの問題をとらえ、大きな運動をつくりあげる必要があることが強調された。それと合わせて普天間基地があることの不条理、それを許してきた日米安保存在そのものを問い直し、戦争のための条約から平和と友好のための条約にしようという提案がなされた。(大野和興)
午後3時から、東京・永田町に参議院会館で開かれた記者会見には、大手新聞、沖縄県の地元紙、大手テレビ、フリーランスのジャーナリストを含む大勢の記者が出席、この問題への関心の深さをうかがわせた。会見は「沖縄・緊急意見広告への呼びかけ」の趣旨を説明することから始まった。まずなによりこの運動は「沖縄の痛みを全国民の痛み」として受けとめ、この列島で暮らすすべての人びとが考え、解決する問題だということを強調、3点の主張を訴えるものであることをのべた。その3点とは
1、普天間米軍基地即時閉鎖・返還を求め「県内移設」に反対する。
2、辺野古新基地建設計画(海・陸上)の断念を求める。
3、もう、安保はやめよう。東アジアの一員として平和に生きるために、米海兵隊の存在と日米安保条約を見直し、軍事力によらない平和を構想しよう。
その趣旨に沿って、会見に参加した意見広告発起人・呼びかけ人が、この意見広告がもいまの状況の中でどのような意味をもっているのかを、自身の思いと重ね合わせながら語った。本山美彦さん(発起人、京都大学名誉教授)は「沖縄の人は怒りに燃えているが、本土の多くの人は他人事」と切り出し、「人間として沖縄の問題を受け止めるためにこの運動に加わった」と語った。
春闘の最中を駆けつけた武建一さん(発起人、連帯労組生コン支部委員長、中小企業組合総合研究所代表)は労働運動・反差別運動などさまざまな運動現場の声を代弁する形で、「大企業と米国べったりの前政権を国民は倒し、現政権を作ったはずだ。2009年8月31日の選挙は、日米安保を問う選挙でもあった。いまその意味が問われている」と話した。いま集まり始めている意見広告の呼びかけ・賛同人の中には中小企業経営者の目立つ。そのことは、この運動は大企業を除く国民全階層の思いを反映していることだとも強調した。
山内徳信さん(発起人、参議院議員)は地元沖縄で一貫して反基地闘争の先頭に立ってきた歩みを振り返りながら、沖縄の闘いは平和憲法を守りぬく闘いであることを強調した。普天間・辺野古の問題は全国民の問題であることを意味していることを言外に込めたものであった。「戦前・戦中・戦後を通して日本の政治は一貫して沖縄を捨石にしてきたが、その一方で沖縄の人々の苦しみ、哀しみ、喜びを共有してくれる多くの日本の国民大衆がいることに、私たちはいつも希望を見出してきた。今回の意見広告運動がそうした希望を重なることを願っている」。
上原成信さん(発起人、沖縄・一坪反戦地主)もまた、この運動は広範な国民の思いを結集するものになることを願って、参加したことを強調。やはり、戦後の平和運動を先頭で担ってきた尾形憲さん(発起人、法政大学名誉教授)は自身の戦争体験・戦場体験を重ね合わせながら、この運動を成功させなければならないと強調した。
呼びかけ人からは、足元の生活の場で運動を作ってきている下山保さん(パルシステム生協連合会理事長)と山浦康明さん(日本消費者連盟事務局長が出席した。下山さんは、普天間・辺野古問題は本土に住むみんなが引き受けなければならない問題であることを強調するとともに、生協運動として何ができるかを自らに問いかけ、沖縄の農業や漁業をつながり、沖縄で人々が暮らして行ける経済を目指す取り組みを生協として始めていることを紹介した。山浦さんは、消費者運動の立場から、消費者は安心して生きていくには戦争をなくさなければならないことを強調し、普天間・辺野古の問題は消費者運動の課題であると語った。
話はさらにいまの情勢をどう見るかに及んだ。本山さんは普天間はそもそも飛行場ですらない欠陥施設であることを指摘、作った側の米軍が自己の責任で撤去すべきものであることを強調した。それを受けて武さんは「米軍が戦争のさなかに本土攻撃のためにブルドーザーと銃剣で作り、これまで不法に占拠してきたもので、米国が持って帰るべきもの」と補足。また山内さんは、そもそも海兵隊という戦争の“殺し屋”がいま日本にいる意味があるのか、と根本的な疑問を呈し、さらに、「いま政府から出されている案は401ヘクタールの普天間に代わり1100ヘクタールという巨大基地を作るという形に変質してきている。これは新しい要塞作りであり、21世紀のアメリカの戦争のための基地だ」と問題を提起した。
記者会見で明らかにされた今後のスケジュールは、5月16日の普天間包囲行動の日にあわせ、全国紙と沖縄の新聞に意見広告を載せるというもの。政府は5月の日米決着に向け、徳之島案など次々と新しい地名を持ち出し、「まるでもぐら叩き状況」(武さん)。こうした新しい情勢、政府の動きも視野に入れて、意見広告の呼びかけを広げて行くことが、会見の中で発起人から明らかにされた。
意見広告運動のページ http://www2.nikkanberita.com/okinawaiken/
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