2010年05月12日00時38分掲載  無料記事
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人権/反差別/司法

アジア太平洋地域の若者が鳩山首相に旧日本軍性奴隷問題で要請  「日本政府は責任を認め、謝罪を」

  5月13日、4000枚の色とりどりの蝶々ハガキが、人権活動にとりくむアジアの若者たちによって鳩山首相に届けられる。このハガキは、一枚一枚が太平洋戦争中の旧日本軍の性奴隷制のサバイバーの正義を求めるもので、アジア太平洋地域を中心に13カ国以上で署名された。(日刊ベリタ編集部) 
 
  この運動に取り組んでいるのは、アジア・パシフィック・ユース・ネットワーク(APYN)というアジアの若者のネットワーク組織。APWNの呼びかけで、アジア太平洋地域の多くの若者たちが初めて一丸となり、旧日本軍性奴隷制のサバイバーたちのために正義を求めて行動を起こした。 
 
  APYNのメンバーはパキスタン、インド、タイ、マレーシア、韓国、日本、香港、オーストラリアを拠点とし、この問題への関心を高め、多くの人に署名に参加してもらえるように、2010年初めから大小合わせ70以上のイベントを開催してきている。署名キャンペーンには、フィリピン、インドネシア、ネパール、オランダ、米国やカナダの若者たちも参加した。 
 
 
  APYNは署名活動にあたって、次のように呼びかけた。 
 
「太平洋戦争の間、約20万人の若い女性と少女たちが旧日本軍によって強制的に性奴隷にされました。なかには12歳の少女もいました。主に朝鮮半島、中国、日本、フィリピン、ほかにもタイ、ベトナム、マレーシア、台湾、インドネシア、東ティモールの女性たちは、何年にも渡って「慰安所」として知られる収容施設に入れられ、強かんや虐待の被害を受けました。日本政府は旧日本軍性奴隷制の責任を認めず法的義務を果たしていません。65年以上が経過した今も、勇気あるサバイバーの女性たちは正義を求め行動し続けています」 
 
「時の経過は不正義を癒しはしません。若者は変化の実行者であり、私たちはこの勇敢なバイバーたちの正義を求める運動に感銘を受け、彼女らとともに立ち上がります。サバイバーの多くは、いま80歳代になっています。私たちはこの犯罪が忘れられることを決して許しません」 
 
  集まった署名は5月13日、東京・永田町の参議院議員会館で開かれる「被害者は待てない、償いの時を逃すな!」集会で、以下のよい要望事項とともに発表され、鳩山首相に届けられる。 
 
■日本国総理大臣に対する要請事項■ 
・太平洋戦争中のサバイバーたちに対する重大な人権侵害の責任を全面的に認めること 
・彼女たちに行った犯罪について公式に謝罪すること 
・サバイバーたちとその家族に適切な賠償を行うこと 
・すべての教科書に太平洋戦争の際の性奴隷制について正確に記述すること 
 
  13日の集会は以下のような内容で開催される。 
 
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院内集会「被害者は待てない、償いの時を逃すな!」 
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日 時: 2010年5月13日(木) 15:00 〜 17:00 
場 所: 参議院議員会館 第3会議室 
内容: 
1、韓国「日本軍『慰安婦』問題解決のための国会議員の会」の設立とこれからの活動 
朴宣映(パク・ソニョン) 韓国国会議員、自由先進党報道官 
2、「慰安婦」制度の被害者の状況と支援運動 
吉元玉(キル・ウォノク) / 被害者 
尹美香(ユン・ミヒャン) / 韓国挺身隊問題対策協議会代表 
3、意見書採択市議会議員からの報告、アジアの若い世代からの署名伝達 ほか 
4、国会議員から 
 
主 催:日本軍「慰安婦」問題解決全国行動2010 
 
共 催:戦時性暴力問題連絡協議会 
 
問い合わせ:全国行動2010事務局 03−3202−4633(wam気付) 


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