2010年05月21日15時18分掲載  無料記事
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市民団体が「つくる会」教科書を採択した愛媛県今治市長、教育委員らを「違法な採択」と提訴

  教科書問題に取り組んでいる愛媛県の市民団体「えひめ教科書裁判を支える会」は5月19日、今治市の菅良二市長や市幹部、市教育委員会幹部らを相手に、採択の無効確認や採択に掛かった公金約175万円の賠償などを求める住民訴訟を松山地裁に起こした。今治市教育委員会が2010年度中学校教科書として2009年8月に採択した扶桑社版などの教科書について、採択手続きが違法だったとして、採択の無効確認や採択に掛かった公金約175万円の賠償などを求めている。(日刊ベリタ編集部) 
 
  訴えの争点は教科書採択の方法。教育委員会が教科書採択に当たっては、教師や保護者で構成する教科書採択協議会の結論にそって行うのが通常の方法。これに対して「新しい歴史教科書をつくる会」(以下、つくる会)は「現場教員の調査研究に基づいて、採択協議会などが教科書の順位をつけて採択すべ き教科書を答申する採択方法は、教育委員会の権限を侵す違法な手続である」と主張、教育委員会の権限強化を主張してきている。 
  「つくる会」というのは、「日本の歴史教科書は 『自虐的』であり、自分の国に誇りをもてない」と「日本の国に誇りをもてる教科書をつくる」ことの目的で結成された団体で、その目的に沿った教科書づくりのために扶桑社と提携を結び、扶桑社版中学歴史教科書(及び公民教科書を編纂した。 
 
  今治市教育委員会は、この「つくる会」の主張にそって、教師や保護者代表らで構成する「今治地区教科用図書採択協議会」が答申した教科書とは別の教科書を採択した。訴えを起こした市民団体は、これは教育委員の地位と職権を利用し勝手に教科書を採択したもので違法であり、その違法な採択に要した費用は違法な公金の支出であるとし、採択を行った5人の委員らに対して、その弁償(損害賠償)を求めている。 
 
 
訴状は下記 
http://www.dokidoki.ne.jp/home2/zxvt29/28/28-1-1.pdf 
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裁判の目的と中心の論点である採択権限に関する資料は下記。 
http://www.dokidoki.ne.jp/home2/zxvt29/28/28-4-1.pdf 


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