2010年06月10日11時11分掲載  無料記事
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橋本勝21世紀風刺画日記

156回 日刊ゲンダイはいつまで民主党の弁護をつづけるつもりなのか

  ついに鳩山首相が辞任した。この漫画はその前日に描いたもので私の鳩山首相の漫画の最後のものとなるだろう。 
  それにしても日刊ゲンダイはガックリであろう。なぜなら最近のゲンダイはまるで民主党の機関紙みたいになっていたのだから。 
 
  ゲンダイといえば夕刊フジと並ぶ駅売りの夕刊紙で、フジが体制ベッタリであったのに対しゲンダイは反権力的姿勢を貫き、私も20数年にわたって読み続けている。 
  昨年、政権交代が実現、自公政権を激しく批判してきたゲンダイにとってもそれは喜ばしいことであったろう。そして民主党政権を擁護する報道を展開してきた。たとえば鳩山、小沢のお金に関する疑惑に対しては国策捜査だと反論し、そのことへのメデイアの小沢への批判報道に対してもそれは既得権益を守るためにやっていると、きびしく反論、それなりの説得力があった。 
 
  しかし普天間移設問題になるととたんにトーンダウン、鳩山政権は「最低でも県外」、辺野古の海の埋め立ては「自然への冒涜」なんて言っていたが、迷走のあげく辺野古への新基地建設で日米合意する。そして社民党は政権離脱。 
 
  こうした事態に対してもゲンダイは鳩山民主への弁護を展開し、福島社民に対しては意地の悪い批判をする。そして民主党よ、支持率が下がっても気にするな,きたる選挙でもそんなに負けない、一方社民は大負けし消滅へ一直線などという予測記事を書く・・・・・これが大外れ。結局このままではとても選挙で勝てないと、鳩山は辞任に追い込まれる。それに対し福島は、筋を通したと株が上がる。そして小沢幹事長も鳩山と一緒に止めることになる。これは小沢に大いなる肩入れをしてきたゲンダイにとっても誤算であったであろう。 
 
  予測が外れるというのは物事を本質ではなく、願望で見るからであり、そして今回の鳩山首相の普天間問題での迷走、変節にたいしてゲンダイが、しっかりした批判記事を書けなかったのは、日米安保の問題としてこれをとらえなかったからである。民主党は菅体制で再スタートするが、下手をすれば第2自民党になりかねない民主党に対して厳しい批判の目を向けることができないようでは、ゲンダイは反権力の看板をおろしたほうがいい。そんなゲンダイには何の魅力も感じないから、私は130円を出して買うことを止めにするだろう。 


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