2010年08月11日11時41分掲載
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米紙が現地の集いを1面で大きく掲載 原爆投下65周年
10日付の米サンディエゴ・ユニオン・トリビューン紙は、一面で米在住日本人らが開いた、広島、長崎の原爆投下の犠牲者を追悼するささやかな式典の模様を大きく写真付きで掲載した。同紙は問い合わせに対し、広島、長崎への原爆投下65周年という節目に当たるため、大きく掲載したと説明している。また、原爆関連のこうした集いの記事を一面で掲載するのは、異例としている。(戸田邦信)
記事は「1945年8月9日の記憶が響きわたる」の見出し。長崎への原爆投下があった9日に、被爆体験を持つ米在住日本人や、その家族関係者らが出席し、サンディエゴのシェルター・アイランドに設置されている、横浜市寄贈の「友好の鐘」(梵鐘)を鳴らし、追悼した。この鐘は、サンディエゴと姉妹都市を結んでいる横浜市が1958年に贈った。
筆者は、マイケル・ステッツ記者。9日に電話で照会したところ、「原爆投下65周年ということで、編集サイドが、記事をトップに持ってきたと思う」
オバマ大統領が、予定されている訪日の際、広島、長崎を訪問どうかどうかが話題になっている。米大統領の被災地訪問は、米世論の動向がカギともいわれる。
ルース米駐日大使が、広島での平和記念式典に出席し、米国内の保守層の一部が、無言の謝罪だと反論するなど、波紋も広がっている。ステッツ記者は、自分の記事に関して、読者から特に反応はないとしている。また、原爆投下の是非とか、謝罪問題を意識した記事ではないと述べている。
記者は、記事の中で、真珠湾攻撃、ホロコーストと同じように、被爆者や家族たちが、原爆被害の記憶を語り続けていく決意を示していることに触れ、また追悼集会の出席者が、核兵器が二度と使われないことを望んでいると記している。
記者は、式典で日本人らにインタビューし、被爆経験や、父親が被爆体験を持つ米在住日本人3人の記事も、写真付で併せて掲載した。
サンディエゴは、米太平洋艦隊の海軍基地があることで知られる。
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