2010年08月24日01時33分掲載
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検証・メディア
朝日新聞とは?
朝日新聞は8月23日付けの社説で「米軍のイラク撤兵」について書いている。「この戦争は何だったのか。開戦した米国も、戦争を支持した日本も、深く自問自答すべきだ」としている。イラク戦争を振り返って、「軍事力過信への戒め」として、「自衛隊派遣は、謝った選択ではなかったのか」としている。
しかし、そういう朝日新聞は日米安保50周年の今年に入り、日米安保条約を前提として米政府高官たちに対する、大きく紙面使ったインタビュー記事を何度も掲載している。一方でベトナムや中国、ロシア、北朝鮮といった過去にアメリカと敵対したり、現在敵対している(と見られる)国々にはそうした扱いはみられない。政府の広報機関でなく、ジャーナリズムであろうとするなら、もっと様々な角度から分析する必要があるのではないか。
かつて冷戦時代、ソ連のことはアメリカに聞け。アメリカのことはソ連に聞け、と言われていた。互いに敵対しているが故に、仮想敵国については冷徹に研究していたからだ。たとえば元国務長官のコンドリーザ・ライスはロシア語に堪能なソ連の専門家だった。過去にアメリカと朝鮮戦争で戦った中国の場合は大量にアメリカに留学生を送っている。日米安保条約はアメリカが民主国家である限りは有効だが、仮にアメリカにファシズム政権が樹立された場合はどうするのだろうか。
そんなことは起こりえないと言えるのだろうか。もし、そのような事態が起きた時、日本国内にある米軍の基地はどうなるのだろうか。アメリカは無謬である、アメリカは正義である、アメリカは民主主義である、ということを無条件に前提にしてしまったら、それはジャーナリズムの放棄である。もし、そうだとしたらアメリカにジャーナリストはいらないことになる。
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