2010年11月27日00時11分掲載
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人権/反差別/司法
西武池袋線痴漢冤罪事件の情報です 根本行雄
11月25日、波崎事件対策連絡会議の仲間であるFさんより、メイルとチラシ(PDFファイル)が届きました。西武池袋線痴漢冤罪事件の小林卓之さんに対する不当な扱いについてのものでした。ネモトはこの冤罪事件のことは初耳でした。小林さんは現在、刑務所に収監されていますが、適切な治療を受けさせてもらえず、命の危険にさらされています。これは重大な人権侵害だと思います。メイルとチラシを読み、ネモトはとても驚きました。そんな訳で、「日刊ベリタ」の読者のみなさまにも、メイルとチラシを読んでいただきたいと思い、投稿することにしました。
まずは、事件の概要とその経緯を知るために、「チラシ」(原文のまま)を転載します。
題名は次の通り。
「このままでは命の危険も・・・
早急にじゅうぶんな医療の供給を!
小林卓之さん(68)への驚きの不当処遇の数々」
□ 事件の発端(2005年3月18日)
小林さんは指が硬直し、曲げ伸ばしが困難になる強皮症という難病です。チョークが握れなくなったことで小学校教諭を退職直後、西武池袋線の電車内で女性に痴漢したとして、強制わいせつ罪で起訴されました。
□ 東京地裁で実刑判決(2007年2月)、高裁にて公訴棄却(2008年1月)
当時の小林さんの指の状態について「拷問に近いような痛みに耐えなければ犯行は不可能」との医師の証言に加え、当時小林さんの着用していたのは腰の上で切れる丈の長さであるジャンパーであったのに対し、逮捕した男性の犯人の目撃証言ではお尻まで隠れるハーフコートでした。その他、着ていた上着の色も身長もちがうなど、数々の相違があったにもかかわらず、1年10ケ月の実刑判決が下されました。その後の高裁でも提訴棄却、地裁による判決は覆りませんでした。
□ 最高裁でも上告棄却(2010年7月)
2008年5月、最高裁に上告。その準備をしている矢先、小林さんは脳梗塞で倒れ、もともとのご病気に加えて後遺症で右半身に麻痺が残ってしまい、24時間ご家族の介護なしには生活できない身体になってしまいました。そして、2010年7月、最高裁でも上告棄却。判決が確定しました。
□ 一般刑務所収監(2010年10月19日)
小林さんは医療刑務所ではなく一般刑務所に収監されました。弁護団の二度にわたる執行停止の申し立ても、聞き入れられませんでした。
□ 現在(2010年11月現在服役中)
小林さんの病気は今も進行していて、毎日の点滴をしなければ痛みを止められない状態だそうです。また、静脈注射をしなければ、手や指が指先から壊死していって、いずれは手が動かなくなるそうです。
現在小林さんは普通の、健康な受刑者と同じ条件で服役しています。収監前の小林さんの担当医の見解では、収監によって生命の危険の可能性すらあるということです。
事態は一刻を争います。刑務所の中でも確実に、小林さんの命が蝕まれようとしています。小林さんの命を守るため、わたしたちにできることは、この事件のことを知らない人々に、小林さんの現状を広めること。少し欲を言えば、ネット、手紙、口頭、いずれの手段でも構いません、小林さんの処遇改善を訴えること。そして、おなじように訴えてくださる方を増やすことです。
□ 発行責任者
小林さんの命を守るネットユーザーの会会長:佐々木亮(弁護士・小林さんの主任弁護人)
□ 連絡先
〒489-0868 愛知県瀬戸市今林町366
行政書士橋本事務所内
小林さんの命を守るネットユーザーの会事務局 橋本圭史
電話 0561-41-8348 FAX 050-3488-6044
小林さんの命を守るネットユーザーの会
http://plaza.rakuten.co.jp/kobayashiinochi/
現在弁護団は、小林さんの無罪を勝ち取ることを諦めてはおらず、再審の準備をすすめていらっしゃいます。
次は、11月25日に届いたメイル(原文のまま)のコピーです。
転送します。まったくひどい状況です。西武池袋線痴漢冤罪事件の小林卓之さんの病状が悪化しています。
<大澤です>
小林さんの情報です。
静岡刑務所に収監中の西武池袋線痴漢冤罪事件の小林卓之さんは
適切な治療が受けられず、ご家族の話では指先が紫色に変色して
壊死が危惧されています。
冤罪、有罪を問わず、収監者に適切な治療を受けさせず、命を危険にさらすことは重大な人権侵害だと思います。
http://plaza.rakuten.co.jp/kobayashiinochi/
ツィッターのフオローが140名になったそうです。
HP中に法務省への抗議をBBSにコピペして共有していますが、お医者さんが投稿した文章があり、小林さんの症状について理解しやすいのでご紹介します。
●2005年3月18日発生した西武池袋線での強制わいせつ罪で収監された患者様についての意見
事件からもう5年8ヶ月たっています。服役囚さまは全身性強皮症とお伺いしています。私は医師ですが、この事件のいきさつを見る限り医学的にも物理的にも対応があまりにも矛盾しています。
ほぼあり得ないことは犯罪者扱いしないと私は中学校で習いましたが、あれは嘘を教えているんですか?またその後の扱いも矛盾だらけです。全身性強皮症は血管などを冒す病気です。
脳梗塞になったと言うことはそれが進行していることを強く示唆するものと考えます。
その後も強い治療をしないと生命を脅かすことにつながることはリウマチ膠原病を専門にしているものとしては当たり前のことです。それをしないで今まで放置して、手指壊死直前とかあり得ないです。
何故一般刑務所に収監するんですか?医療刑務所あるじゃないですか。論文にもいろいろ出てくる先生もいるじゃないですか。診れないなんて思えない!何で一般刑務所じゃないといけないのか全く理解できません。理解できるように書面で求めたいくらいです(そちらの医師や判断された方から)。
これは一リウマチ膠原病に携わる医師からの忠告です。
このまま一般刑務所で見てたらこの方は死亡するかそれに近い現象を近いうちに起こす可能性が非常に高いです(特に冬ですし)。そうなったときに何か対応していただけるから一般刑務所に収監しているんですよね。私は医師としてそんなことはできないと判断します。繰り返しますが、客観的状況から見てもこの方はかなり危険です。
1.何故一般刑務所の収監なのかお答えください(医学的所見も含めて)
2.何かあったときの直接責任者は誰ですか?それは誰が管理されてるんですか?
聞きたいことは山ほどありますが、上記2点についてお教えください。
読者の皆さん、チラシとメイルをお読みくださり、ありがとうございました。
「収監者に適切な治療を受けさせず、命を危険にさらすことは重大な人権侵害だと思います。」という意見に、ネモトは賛成です。
できることならば、抗議の声をあげることや「励ましの手紙」を書くなど、よろしくお願いいたします。
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