2010年12月07日00時09分掲載
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イスラエル/パレスチナ
異常乾燥のイスラエルで史上最大規模の山火事 不法投棄のゴミ発火説からテロ説まで憶測が飛び交う
イスラエル北部・カルメルの谷周辺で、今週木曜日に起きた森林火災は41人の命を奪い7000エーカーを灰に変え、今もなお森をゆっくりと進んでいる。(テルアビブ=松澤聡)
イスラエル最大規模の森林で起きた今回の森林火災は、イスラエル史上最大規模のものであり更に、イスラエルの持つ消防能力ではこの大規模森林火災に装備・経験共に対応しきれず初動の段階で遅れを見せる結果となってしまった。
現在はトルコ・エジプト・ヨルダンのイスラム教国家を含む周辺国からの援助を受け少しづつ鎮火へ向かっているが、未だ予断は許されない状況にあり周辺の村などでは村へ燃え移らないように、村周辺の木を切り落とすなどの防火作業に追われている。
今回の森林火災の出火原因は森の中に不法投棄されたゴミから火の手が上がったとの情報があるが、一部ではアラブ人によるテロだと言う声も上がっている、しかし警察当局ではそのような事実は現在の所全く確認されておらず、このようなデマを打ち消すかの様にネット上でパレスチナ人が消火活動に加わっていると言うニュースが流されている。また、先月11月には政府に対して消防士による消化装備向上を求めるデモが行われていた事もあり、政府の危機管理の低さに国民の不満は高まっている。
これ程までに大きな森林火災へとなった要因には何があるのだろうか?。先ほど述べたイスラエルの消防能力の低さも一つの大きな要因ではあるが、もう一つの大きな要因として今年のイスラエルの気候が上げられる。通常イスラエルでは5月から10月の間は乾期でありこの間は雨が全く降らず、11月から4月の間に一年分の雨が降り大地を潤わしているのだが、今年は11月に入っても全くまとまった雨が降っていない。その為にイスラエル全土は大変乾燥しており、今回の森林火災の拡大に繋がってしまったと考えられる。イスラエルの乾燥は日本の冬の乾燥とは違い、熱くそして空気が割れそうな程の乾燥で水分を一滴も含んでいない様な空気を作り出している。
このような災害は近代イスラエル国家史上最悪の事態であり政府は森林火災への対応も含め、膨れ上がっている国民の不満に対してどう対応するかが今後注目されている。
(松澤聡 www.so-matsuzawa.com)
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