2010年12月08日13時11分掲載
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検証・メディア
進歩的コミュニケーション協会(APC)がウィキリークスを擁護する声明を発表
ヨハネスバーグに本部を置き、インターネットによる情報の自由を掲げて35か国で活動する「過進歩的コミュニケーション協会(APC)」は12月7日、内部告発情報を提供するウェブサイトWikiLeaksが最近公開したオンライン・コンテンツへのアクセスを各国政府が制限しようとしている事態に「深い憂慮」を表明する声明を発表した。その声明でAPCは「WikiLeaksを守ることは、インターネットにおける情報の自由を守ることである」と述べている。(日刊べりタ編集部)
以下、声明を紹介する。
進歩的コミュニケーション協会(APC)は、内部告発情報を提供するウェブサイトWikiLeaksが最近公開したオンライン・コンテンツへのアクセスを各国政府が制限しようとしている事態に深い憂慮を表明する。
APCはまた、WikiLeaks.orgへのドメイン名サービスを使用禁止にしたEveryDNS.net、ウェブのホスティング・サービスを撤回したAmazon、支援者からの寄付を妨害するためにWikiLeaksアカウントへのアクセスを制限したPaypalに対しても、憂慮する。
APCは、人権の実現にとっても、また、世界レベルおよび各国レベルでより責任ある透明なガバナンスを実現することにインターネットを使って貢献するためにも、インターネットを用いて自由に情報を共有し自由にコミュニケーションを行なうことが必須であると考える。WikiLeaksのようなサイトは、また、政府や企業の汚職と戦うための手段としても決定的に重要な役割を果たしうる。
APCのインターネット権利憲章は、以下を明言している:
- インターネットは、批判的な見解を黙らせようとしたり、社会的および政治的な内容や議論を検閲しようとするあらゆる企てから守られなくてはならない。
- あらゆる組織、コミュニティ、個人は、インターネットを用いて人々を組織化し抗議行動に参加することを自由に行なえなくてはならない。
- 公共の予算から支援を得て生産されたすべての情報は、科学研究や社会研究を含め、すべての人が自由に利用できるようにしなくてはならない。
1990年に創設され、世界で最も長い歴史を誇る進歩的なオンライン・ネットワークであるAPCは、この10年間にこれらの権利に対する侵害がますます強まっている風潮を憂慮してきた。WikiLeaksを検閲しようという最近の企ては、そうした憂慮をさらに深めるものである。
アメリカ合衆国政府はWikiLeaksが情報を公開したことで人命が危機に晒されているという主張を説得する証拠を提供できていない。
APCは、すべての政府およびインターネットコミュニティに対し、表現の自由と情報----とりわけより透明なガバナンスの実現につながる情報および政府の責任を追求するために市民が使うことができる情報----の自由を制限するようなオンライン・コンテンツの統制を、それがいかなるかたちのものであれ、明確に拒絶するよう呼びかける。APCは、WikiLeaksのウェブサイトが中断されることなくオンライン上に存在することを保証するよう、すべての政府とインターネットコミュニティに呼びかける。
WikiLeaksを守ることは、インターネットにおける情報の自由を守ることである。
原文は以下で。
http://www.apc.org/en/node/11620/
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