2010年12月19日12時00分掲載  無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=201012191200090

橋本勝21世紀風刺画日記

167回 国家権力の理想はウイキリークスなどがない世界だ

情報告発サイト「ウイキリークス」の最近の活動ぶりはまことに痛快 
特にアメリカの進める「テロとの戦い」とやらの 
「嘘」と「非道」への告発には感心させられる 
だが、やっぱりというべきかウイキリークスへの妨害、弾圧が進められている 
 
たとえばウイキリークスの創設者アサンジュ氏を 
「強姦容疑」で逮捕しいたことなど、その最たるものである 
権力に抵抗するものに性的ハレンチ罪の疑いをきせるのは 
権力の常套手段である 
沖縄密約情報を暴露した西山記者の問題 
経済学者の植草さんを痴漢行為で逮捕した冤罪事件など 
権力の卑劣な企みのワンパターンぶりには苦笑を禁じえない 
 
そしてアメリカのクリントン国務長官、日本の前原外相などの 
世界の要人たちからの厳しい批判が浴びせられる 
それは世界の安全と平和を脅かす「情報テロ」!などという激しいものである 
 
だが私はウイキリークスの活動とは 
国家権力に対するアナキズムのラジカルな実戦だと思う 
国家権力の唱える安全とか平和など疑ってみるにかぎる 
その証拠に人類のもっとも罪深き犯罪である 
戦争の原因を作り、実行するのは国家権力ではないか 
多くの戦争が国家権力の陰謀、画策によって行われたことは 
ベトナム戦争におけるトンキン湾事件など、歴史をひもとけば一目瞭然である 
 
最近ではイラク戦争開始の理由とした「大量破壊兵器」問題なども 
戦争をするための謀略と言えるではないか 
だからこそ国家をその立脚点にしないウイキリークスのような 
情報活動は大いなる意味をもつのである 
 
ということでウイキリークスには頑張ってほしいという願いをこめて 
ウイキリークスのもうひとつのロゴマークを作ってみた 
砂時計の上からは無数の爆弾が降りそそいでいる 
そして下には沢山の犠牲者の死体が積み重なっている 
それはイラク戦争などで明らかになっていたように 
国家権力による市民の虐殺を告発せずにはおかない情報による抵抗を 
ウイキリークスはしているのだということを 
表現してみたものである。 


Copyright (C) Berita unless otherwise noted.
  • 日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
  • 印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。