2010年12月28日14時28分掲載
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世界経済
アイルランドの森林が売られる! 買い手は中国とスイスの投資会社 大倉純子
未曾有の経済危機、観測史上初の大寒波と激変に見舞われるアイルランドで、今度は広範な森林が外国企業に奪われそうな事態になってきました。Woodland Leagueという市民グループが、売却を許可しないよう求める請願を政府と大統領に提出するために署名を集めています。海外の人もたくさん署名を送っています。匿名でもできますので、ぜひ協力してください。
http://www.thepetitionsite.com/2/help-save-irelands-forests/
http://www.woodlandleague.org/
これはCoillte(アイルランド森林組合)という国有企業が所有する森林で、広さは中程度の州二つ分ほどもあるそうです。未曾有の経済危機、観測史上初の大寒波と激変に見舞われるアイルランドですが、その中で、今こそ持続可能な生活に戻るチャンスとポジティブに考えている人はたくさんいるのです。森林を奪われるということは、そのような試みを奪われること、私たちの生活の質と未来の問題です。
Coillte(アイルランド森林組合)は21年前に作られましたが、その森林がある土地の地下資源調査をしており(情報公開対象外)、この森林が売却されると、森林本来としての利用より、モ
ノカルチャー栽培、地下資源採掘、石切り場・砂採掘場など環境破壊的な事業に使われる可能性大。そして外国資本の手に渡れば市民がそれに抗議することは非常に難しくなります。
このCoillte(アイルランド森林組合)は土地売却などで過去3億ユーロの利益を上げながら21年間で国庫に収めたのは250万ユーロのみ、その際、国に4億ユーロの融資を申し入れ承認されています。CEOのデイビッド・ギャニングは、「今年度の給与に関して契約変更は難しい」ということでこの経済危機のさなか、首相の2倍以上の48万9千ユーロ(5千万円以上)の年俸を政府から受け取るそうです。
このとってもアヤシイ国有企業から森林を買おうとしているのは中国の投資会社、そしてスイスの金融会社Helvetia Wealthで、この企業はThe International Forestry Fundを所有しています。
The International Forestry Fund(国際森林ファンド)というと聞こえはいいですが、サイトを見ると木材など森林の商品としての利用とそこへの投資(投機)が目的なのがわかります
http://www.forestry-fund.com/
(バージン諸島に登録してます〜、などとトップページから書いてあるし)。
そしてそのトップはアイルランドの元首相、バーティー・アハーン。
まだ駆け出しのころから、アイルランド史上最も腐敗した首相といわれるチャーリー・ホーヒーに、「もっとも手練手管に長け、もっともよこしまで、もっともずるがしこい」と評 価?された人物。
外企業優遇と銀行への規制緩和でケルティック・タイガー時代の首相を務めましたが、最後は腐敗疑惑で辞任。
独立調査委員会でではまあ、疑惑がでるわ、でるわ。
それに対して、財務大臣時代に巨額の金をもらっていても
「私が友人から何をもらおうが人には関係ない」
それらの人々が、公益法人や政府組織の役職に任命されても
「私がその人たちを任命したのは友人だからであり、何かをもらったからではない」と言ってのけたという。
産業界・金融界・政界のこんなずぶずぶのなし崩しの癒着が
ケルティックタイガーの時代には、景気がいいから「まあ、まあ」で見逃されてきたんですね。アイルランド国民全体がいま、そのツケを払わされてるところです。
ここに、ポチっと署名して!
http://www.thepetitionsite.com/2/help-save-irelands-forests/
そして平和で楽しいクリスマスを(あるいは冬のホリデーを)お過ごしください
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