2011年01月04日11時19分掲載
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地域
突然サイレンが鳴って「ただ今当地域にミサイルが」 「そのうち防空壕を掘らされるかも」と取手市民
茨城県取手市で武力攻撃などに対処する瞬時警報システムなるものが動き出している。サイレン音と緊急放送で知らせるもので、対象は「弾道ミサイル情報」「航空攻撃情報」「ゲリラ・特殊部隊攻撃情報」「大規模テロ情報」の四つ。放送を聞いたら「屋内(できればコンクリート造など堅ろうな建築物」に避難する」ことになっている。市の広報でこのシステムの案内を読んだある市民は「今に防空壕を掘れといってきそうだ」と苦笑していた。(日刊べリタ編集部)
このシステムは「全国瞬時警報システム」(J-Alert)と呼ばれるもので、中心は総務省に置かれている。取手市では2009年度から運用されており、同じようなシステムは全国的に導入されていることが考えられる。取手市では「取手市国民保護計画」を策定、それに基づいて運用している。
情報の流れは、武力攻撃などの情報を得た総理府消防庁はそれを人工衛星を通して自治体に流す。各自治体は防災無線を自動で起動させて瞬時に情報を放送する。
放送はたとえば「ゲリラ・特殊部隊攻撃情報」の場合、14秒かんサイレンが鳴った後、次のような言葉が流れる。
「ゲリラ攻撃情報。ゲリラ攻撃情報。当地域にゲリラ攻撃の可能性があります。屋内に避難し、テレビ・ラジオをつけてください」
取手市の『広報とりで』最新号は、このシステムを案内した記事を次のような言葉で始めている。
「先ごろ、北朝鮮と韓国間における武力紛争により、犠牲者が出る痛ましい事件が発生しました。万が一にそなえ市は・・・・」
劇画的ともいえるシステムを構築することで、国、自治体が自ら危機を煽っている状況がはっきり読みれる。
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