2011年01月05日12時59分掲載
無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=201101051259073
社会
市民の活動記録、24万点を収集、閲覧 立教大学共生社会研究センターで
内外の住民運動や市民活動、公害裁判記録などさまざまの市民の動きを記録した貴重な資料が東京の「立教大学共生社会研究センター」に集められ、閲覧できるようになりました。埼玉大学共生社会研究センター」(現埼玉大学共生社会教育研究センター)が収集していた資料も移管され、多彩で貴重な市民の記録が収集されています。 2010年1111月より一般公開が始まりました。(『消費者リポート』特約)
◆普通の人びとの肉声の集積
現在、同センターの所蔵は約24万部。01年に活動を終えた「住民図書館犬が収集した約17万点や、アジア太平洋資料センター(PARC)から寄贈された海外の市民団体や民衆運動の機関誌等約5万点、「べ平連」関連資料、川崎製鉄大気汚染裁判資料、練馬母親達終会活動資料、さらには環境学者の宇井純さんや人類学者でPARC設立メンバーの鶴見良行さんの個人資料なども含まれています。
日本消費者連盟が「矢文」と称して企業や行政の横暴、不正を追及してきた公開質問状や申し入れ書、または創刊号からの本誌のバックナンバーなど、創立当初からの日消連の貴重な資料の数々も閲覧できます。
運動体の機関紙やニュースレターばかりでなく、地域史研究や趣味の交流誌、面白いところでは、遠く離れて暮らす家族をつなぐ「家族新聞」など、大手メディアに意見を発表する機会を持だない普通の人びとの肉声の集積です。また海外資料は、それこそ、政情によっては命がけで届けられた生々しい声も集められています。なかには、本国ではおそらく入手不可能であろうものも多数所蔵されているそうです。
さらに、埼玉大学から移管される残りの分も含めて、本誌も毎号寄贈しているように、今も資料は増え続けています。
同センター長の高木恒一さん(立教大学教授)は、「現在でも利用価値のある生きた資料。これらによる研究成果を市民社会に還元することはもちろんのこと、広く情報発信しながら、市民と研究者の交流の場も提供していきたい。過去の資料を通じて時間をつなぎ、現在の人と人とをつないでいきたい」と話しています。
◆まずは事前予約
資料は誰でも閲覧可能。12年3月までは暫定運営のため、まず事前の予約が必要です(初回のみ利用者登録が必要)。また、原則として閉架式ですので、希望する資料の特定と申漬か必要で、貸し出しはしていません。資料はホームページからキーヮードによって検索できますし、予約の際の相談にも応じています。
「『70年代前半のOO地区の住民運動』とか『80年代の反原発運動』など、ある程度まで指定して下されば、かなりご要望に添えると思います」と学術調査員の平野泉さん。むしろ、事前に要望を伝えた方が、スタッフの方も準備しやすいそうです。
(吉村英二)
【立教大学・共生社会研究センター】
東京都豊島区西池袋3-34-1
立教大学池袋キャンパス隣ミッチェル館西棟
JR池袋駅15分/地下鉄要町駅5分
月〜金曜日(祝日除く)
10時〜16時(12時―13時休憩)
●連絡先
Tel: 03(3985)4457
Fax: 03(3985)4458
E-mai:kyousei@rikkyo.ac.jp
URL : http://www.rikkyo.ac.jp/research/laboratory/RCCCS/
Copyright (C) Berita unless otherwise noted.
日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。