2011年01月13日00時19分掲載
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中南米
隠れた被害者 ─メキシコから夢を求めて─ アムネスティ、合衆国への移民の保護をメキシコ大統領に訴えるオンラインアクション
アムネスティ・インターナショナルはメキシコのカルデロン大統領にメールを送り、メキシコ国内の移民の保護を充実させるよう要請するオンラインアクションを実施している。毎年何千人もの人々が中央アメリカからメキシコを経由してアメリカ合衆国へと渡る。彼らは、母国で蔓延する極度の貧困に後押しされ、確かな仕事や新たな生活を夢見て北へと旅立つのだ。しかし、そのの旅はあまりにも危険過ぎ、旅の途中で多くに人が事故や盗難、誘拐、レイプにあい、命を落とすカースも多い。そんな移民への保護を求めるメールにぜひ参加を、とアムネスティは訴えている。(日刊ベリタ編集部)
毎年、何千人もの人々が中央アメリカからアメリカ合衆国へと渡っていきます。彼らは、母国で蔓延する極度の貧困に後押しされ、確かな仕事や新たな生活を夢見て北へと旅立ちます。しかし、そんな彼らの期待は、あまりにも危険過ぎる旅の途中で、はかなく裏切られてしまいます。非正規ルートで国境を越えようとする移民にとって、メキシコからアメリカへの旅は世界の中でも最も危険だと言われています。
移民は様々な方法でアメリカへと渡ろうとしますが、そのほとんどが「野獣(The Beast)」、「死の列車(The Train of Death)」と呼ばれる鉄道を利用しています。このルートは一般的であるが故に、犯罪組織に狙われやすく、国境管理も厳しく行われています。
また、毎年多くの非正規移民が、犯罪組織や公職にある者たちによる不当な扱いに苦しめられています。
例えば、誘拐は移民にとって常に恐れるべきものとなっています。移民のほとんどが利用するという鉄道ルートにはびこる犯罪組織は、女性、男性、子どもを誘拐します。そして親戚の電話番号を聞き出し、身代金を支払わせています。期日内に支払いが行われれば釈放されますが、少しでも遅れれば、拷問にかけられ、殺されることもあります。また最近では、組織へ強制的に加入させられるケースが増加しています。女性や子どもへの性的暴力も深刻です。およそ10人の内6人が、旅の途中、性的な暴行を受け、人身売買の対象にもなるという報告もあります。
◆ドナー・ラミレス・エスパイラル
メキシコ、チアパス州タパチュラにある避難所にて
女性や子どもへの暴力
女性や子供への性的暴力も深刻である。およそ10人の内6人が、旅の途中、性的な暴行を受け、人身売買の対象にもなると言われている。さらに、改善されつつあるとはいっても、未だ警察や入国管理局職員による暴力、恣意的な拘束が頻繁に行なわれている。「不法」移民には正式な法的地位が与えられておらず、法的支援へのアクセスが閉ざされている。また送還されてしまう恐れや当局からの身体的・精神的な脅迫もあり、ほとんどの被害が表にでないまま放置されている。
◆女性の移民 メキシコのベラクルス州にある避難所にて (C)AI
女性の移民は少なく、彼らがアメリカに渡ることはとりわけ危険なものとなる。性的暴行の被害者となる女性は数知れず、暴行を加えた者は実質的に何ら責任も問われない。
◆求められる改善
2010年8月、メキシコ−アメリカの国境付近で72名の遺体が集団で発見された。彼らは国境を越えようとしていたところ、麻薬組織への協力を拒否したために殺されたという。この事件はメキシコを含む国際社会に大きな衝撃を与えた。この事件を受け、メキシコ政府は移民への不当な取り扱いを改善することを発表した。しかし実質上何ら変化も見ず、アムネスティ・インターナショナルはメキシコ政府に以下を要求した:
・移民を保護し、不当な行為を行なった者の責任を追及するため、特別対策委員会を設置すること。
・移民が受けた又は目撃した不当な扱いに対し、送還の恐れなく・被害届を提出し又は訴訟を起こせるよう、移民法を改正すること。
・行方不明者になったり、暴力的に殺害された移民に関する情報の収集と開示を行い、人権侵害に関わった者の責任を追及すること。
▽もっと詳しく
http://www.amnesty.or.jp/modules/wfsection/article.php?articleid=3557&mm=1
◆オンラインアクションに参加しよう!
メキシコのカルデロン大統領にメールを送り、メキシコ国内の移民
の保護を充実させるよう要請してください。
http://www.amnesty.or.jp/?theinvisibles&mm=1
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