2011年02月25日11時57分掲載  無料記事
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米国

アメリカ議会の予算案審議にみる「アグノトロジー」─作られた無知

  現在、日本と同様アメリカでも予算案が審議されているが、その問題点を簡単明瞭に指摘した記事が、ハフィントン紙の主筆アリアナ・ハフィントン女史が書いている(*)ので、紹介する。(バンクーバー=落合栄一郎) 
 
 議論が集中しているのは、非軍事予算のうちの任意費で、全財政支出の12%にすぎない。この中でどこを削るかということが議論されている。そして、大統領も議員もこの決定は大変むずかしいとほざいている。 
 この議論では、すでに大統領が決定した金持ち層への減税(ブッシュ政権が始めたことだが)分1200億ドルをどうしようかなどということには一言も言及されない。(勿論軍事予算も膨大なものになったのだが─それはハフィントン女史も言及していない)。世論調査によれば、この減税延長に関しては、国民の26%が国民全員に減税を拡張すべきこと、53%は年収25万ドル以下の人についてのみ減税をすべきと考えているにも拘らずである。 
 
 こうした議員達・行政側の現実離れした考え方―現実の全体を見ずに与えられた枠内でのみ議論する─については、アグノトロジーという言葉が発案されたらしい。それは、政治的、文化的に「作られた無知」を研究するというものだそうである。 
 
 なおハフィントン紙は、最近大手企業AOLに高額で身売りしたので、これからどのような変化をみせるか注目されている。 
(*http://www.huffingtonpost.com/arianna-huffington/the-incredible-shrinking-_2_b_827458.html) 


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