2011年02月28日13時57分掲載  無料記事
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中東

国際人権団体ヒューマンライツ・ナウがリビアの市民への無差別攻撃・殺害の即時停止を求める声明を発表

  東京に本拠を置く国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ(HRN)は27日、リビアにおける深刻かつ組織的な人権侵害に重大な懸念を表明する声明を発表した。声明は、カダフィ大佐率いるリビア政権が市民に対し、致死性のある武器を使用して、無差別攻撃・殺害を継続しているとして、これらの重大な人権侵害を強く非難し、リビア現政権指導者に対し、人権侵害を即時中止するよう求めている。(日刊ベリタ編集部) 
 
以下、同声明を紹介するー。 
 
  多くのの信頼できる情報によれば、カダフィ大佐率いるリビア政権は、平和的な集会に参加した市民に対し、致死性のある武器を使用して、無差別攻撃・殺害を継続している。 
 
  国連の推計では、1000名もの市民がリビア現政権によって殺害されたとされ、多くの信頼できる報道・報告もこの推計を裏付けている。HRNは、これらの重大な人権侵害を強く非難し、リビア現政権指導者に対し、人権侵害を即時中止するよう求める。 
 
  HRNは、国際社会に対し、リビアにおける市民に対する攻撃・犠牲をこれ以上許さないために必要な全ての具体的措置をただちに実行に移すことを求める。 
 
  HRNは、国連安全保障理事会がこの事態に迅速な対応をしたことを支持する。2月26日、安全保障理事会は、全会一致で決議を採択し、リビアに対する武器禁輸、トップリーダーに対する資金凍結・渡航禁止というターゲット制裁を決めるとともに、リビアに関する事態を国際刑事裁判所に付託した。 
 
  HRNは、全国連加盟国が、この決議に関し、例外なく締約国に課された責務を履行することを求める。 
 
  遺憾なのは、安全保障理事会が飛行禁止区域の設定について合意に達しなかったことである。HRNは、リビア現政権が自国民に対し、死に至る空爆を行うことを阻止するために、この措置が重要であることを強調し、安保理がこの事項について追加的な決議を採択するよう求める。 
 
  HRNは国際刑事裁判所に対し、安保理決議に基づき、人道に対する罪を含む国際犯罪に対する捜査をただちに開始するよう求める。人権理事会は、決議S-15/L1をコンセンサス採択し、そのなかには、リビアへの独立調査団派遣も呼びかけられている。悪化する情勢のなか、それぞれの任務を遂行するために、ICCの捜査および独立調査団による調査は、相互に協調・補完されるべきである。 
 
  さらに、HRNは、世界中の人権NGOとともに、国連総会決議(60/251 国連人権理事会設置決議)に基づき、国連総会が、リビアの人権理事国としての資格を停止する総会決議をすみやかに採択するよう要求する。 
 
  最後にHRNは、リビアに限らず、平和的なプロテストに直面したいかなる国家も、暴力その他の抑圧的手段を市民に用いることは許されないことを強調する。いかなる国家も、市民による集会、結社、表現の自由を尊重しなければならない。 


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