2011年03月14日12時17分掲載
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東日本大震災
福島第一原発で再び水素爆発 炉心溶融の可能性も
テレビ報道から。福島第一原発の3号機で14日午前11時頃、爆発が起き、白煙が発生した。原子力安全・保安院の会見では爆発は水素爆発で、1号機の建屋で起きた爆発と同じ爆発だと推測しており、原子炉の格納容器は無事だと思われると発表した。作業員が怪我をしたため、救急車を呼んだという。建屋の放射線量は正門付近で20マイクロシーベルト/時。福島第一原発周辺の風向きは現在、西または南西である。半径20キロ圏内にいる人には屋内に入るように勧告している。
▼12時25分、6人の負傷が確認された。
▼東京電力「中性子は特定されず、臨界は起きていない模様」
▼枝野官房長官は12時40分の会見で「3号機の格納容器内の圧力は安定しており、格納容器は無事と思われる」と発表。
爆発前に380キロパスカルだった格納容器の内部圧力は爆発後も360キロパスカルと安定していることがその根拠であると説明した。
その結果、1号機と同種の爆発と推定され、放射性物質が大量に飛散した可能性は低いという。ただ、もう少し状況を見守った上で、退避について今後どう勧告するか検討するという。
▼東京電力「(3号機の)燃料が溶解している可能性がある」(12時50分頃)炉心の溶融が始まった可能性がある。
→16日(水)の新聞報道では炉心溶融の可能性があるのは1号機と2号機となっており、3号機については触れられていない。日刊ベリタに(3号機の)と、ここで書いた情報は「1号機」の間違いだった可能性もある。しかし、それ以前の報道で1号機から3号機まで炉心溶融の可能性が示唆されていたものがあったと記憶している。
▼ウィキペディアによれば「炉心溶融」が起ると、圧力容器の底に燃料が溶け落ちてたまっていく。そして最悪の場合には核燃料の熱エネルギーによって圧力容器、格納容器、建屋などを破壊し、放射性物質が外部に拡散することも可能性としてあるという。スリーマイル島の原発事故では炉心溶融で燃料の45%が溶解していた。
▼午後6時。午前11時の爆発時に東京電力の社員(23)一名が被曝したという。
▼午後11時半現在。昼の爆発で被曝したのは6人だという。
▼爆発による負傷者は6人ではなく、11人だったとの報道もある。
▼16日(水)の朝日新聞の報道では「炉心溶融」は、燃料棒を覆っている合金が溶ける現象と説明されている。「合金が溶けると、それが炉心の構造物を溶かし、さらに溶けて落ちた高温の溶融物が、圧力容器に損傷を与える」とある。もし炉心溶融が起きると圧力容器が損傷する結果、「炉の中に閉じ込められてきた高濃度の放射性物質が出てきてしまう」
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