2011年03月16日18時44分掲載
無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=201103161844273
東日本大震災
地震 〜欧米メディアの報道から 2 〜
3月15日付けのルモンドは福島原発事故の重大性をフランスの原子力安全委員会(ASN)がレベル0から始まる8段階のうちのレベル6と判定していることを伝えた。これは国際判定基準(INES)であり、レベル0が安全に影響なし、レベル7は巨大な事故である。チェルノブイリ原発事故がレベル7に分類されている。レベル6は「深刻」な状態を意味する。
フランスの原子力安全委員会がレベル6と判定した理由は福島第一原発2号機の状態を重大視したからだと報じられている。格納容器の一部破損が放射性物質を拡散する可能性を重視したことによる。
一方、カウンターパートに当たる日本の機関の判定は土曜の判定以後、レベル4に留まっている、と伝えている。このレベル4は国際原子力機関(IAEA)によれば’accident with local consequences'であり、直訳すれば地域的に限られた被害を意味する。日本の機関がレベル4を判定したのは12日土曜日で、福島第一原発1号機の爆発を受けたものだ。
ニューヨークタイムズでは今回の福島原発事故を日曜の状況における判定としてレベル4であると伝えている。スリーマイル島事故(1979年)はレベル5、ソ連時代のKYSHTYMの事故(1957年)はレベル6、チェルノブイリ原発事故(1986年)をレベル7と紹介している。KYSHTYMの事故は放射性廃棄物のタンクが爆発した事故だという。
国際原子力機関(IAEA)によると、この国際判定基準(INES)は原子力事故の大きさを世界で共有するためにもうけられたものだ。専門家やマスメディアが事故の状況を伝える時に必要になる。事故が深刻化するにつれて安全に影響がない軽微な事故から、インシデント、さらにアクシデントへと段階が進む。今回、フランスの原子力安全委員会が判定したレベル6はシリアス・アクシデントにあたる。
INES (An escalating scale of nuclear problems)
0 Deviation with no safety significance
1 Anomaly
2 Incident
3 Serious incident
4 Accident with local consequences
5 Accident with wider consequences
6 Serious accident
7 Major accident
■ルモンド3月15日記事より「原発事故の重大性は?」
http://ecologie.blog.lemonde.fr/2011/03/15/comment-classe-t-on-un-accident-nucleaire/
■IAEAの原子力事故に関する国際判定基準(INES)
http://www-ns.iaea.org/tech-areas/emergency/ines.asp
Copyright (C) Berita unless otherwise noted.
日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。