2011年04月02日23時25分掲載
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文化
パリの散歩道15 地震、津波、原発・・・ 村上良太
日刊ベリタでこれまでパリで取材させていただいた方々から、今度の震災や原発事故に関するメールをいただきました。
★ヴィルジニー・ブリエンさん(画家)から。
「テレビニュースで、震災で300人が亡くなったと聞きました。多くの人が乗った列車や船が津波で流されたのを見ました。余震もあり、今は夜の闇の中にいるのね。原発事故も起きたと聞きました。皆さんがご無事であることを祈ります。」(3月12日)
「被災者の方に何か送りたいけれど、どこに持っていけばいいのかしら?誰も教えてくれない。日本の’大使館’に行って見ましょう」(3月16日)
★ヴァンサン・ベルゴンさん(幻灯師・彫刻家)から
「元気を出して。ニュースは恐ろしいものでした。特に僕たちが心配しているのは原発のことです。」(3月11日)
「日本はより危機的な状況になっているとニュースで報じられています。黒澤明の映画「夢」を思い出しました。」(3月17日、18日)
★ヴァンサン・サルドンさん(風刺画家)から
「フランス人の多くは日本がとても好きなんだ。だから、死者や行方不明者、それに放射能汚染のことを聞くと僕たちは悲しい。」(3月12日)
★パスカル・バレジカさん(著述家・翻訳家)から。
「ラジオで聞いたばかりだ。本当に恐ろしい。原発のことはさっき知ったばかりだよ」(3月11日)
★フランソワ・パティシエさん(Francois Patissier、俳優)から。
「僕は2009年に東京、京都、奈良、富士山、鎌倉など日本の各地を歩いた。きっと他の国に出かけた連中よりも、少し面白い体験ができたと思う。日本は西洋ととても違っている。そこが面白いところでもあるんだ。しかし、23メートルの高さの津波、マグニチュード9の地震に直面すれば、文化の違いは関係ない。誰であれ、ひとしく飲み込んでしまう。・・・しかし皆さんは再建する力を持っておられる。皆さんには連帯の精神がある。生活はすでに再開された。どうか頑張ってください。」(3月27日)
俳優フランソワ・パティシエさんの出演作品(出演作のコラージュです)は以下。パティシエさんは友人が日本に住んでいることもあって、よく来日されるそうです。
http://www.dailymotion.com/video/xaw3d7_bande-demo-de-francois-patissier-co_shortfilms
パティシエさんの13歳の息子ルビンさんからも「僕らは皆さんのそばにいます。生活は大変でしょうが、頑張ってください」という言葉をいただきました。またパティシエさんとよく仕事をしている演出家のローラン・ノエル(Laurent Noel)さんからもメッセージ(詩)をいただきました。この詩についてはいつか機会があれば紹介したいと思います。
フランス人からの反応は早かったです。パリと東京では8時間の時差があります。地震が起きたのは日本時間で午後2時50分頃でした。その時間、パリは午前6時50分頃になります。そして日本時間で夕方から深夜にかけて、パリからメールをいただきました。
今回、しばしば「ボン・クラージュ!(Bon courage!)」という言葉をかけていただきました。クラージュは直訳すれば勇気とか元気であり、「ボン・クラージュ!」は日本語の「頑張って!」に相当する言葉でしょう。これまで「頑張って!」という言葉は日本独自の言葉だと僕は思い込んでいました。ストレスフルな日本文化を象徴する言葉という風に刷り込まれていたのです。しかし、それは嘘だったんじゃないかと思うようになりました。
村上良太
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