2011年04月14日12時15分掲載
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東日本大震災
グリーン・ピースの調査で判明 汚染は広範で土壌汚染は深刻、都市部も高い放射線値、
4月4日から福島県内で放射線の測定調査を行ってきた国際環境NGOグリーンピースは11日会見を開き、「福島第一原子力発電所の事故による放射能汚染は広範囲で、食品と土壌に重大な懸念がある。また、人口が集中している福島市、郡山市など都市部で放射線量値が高かった」と報告した。同団体が調査に入ったのは3月末に続いて2度目。グリーンピースは今回の調査をもとに日本政府に対し、(1)20km圏外でも放射線量の高い地域への非難指示と生活補償、(2)原発から100km圏内を優先して放射性セシウムによる汚染状況の詳細な調査と地図化を行うこと、など4項目の要請を行った。(上林裕子)
グリーンピースは南相馬市や福島市郊外の農家の畑の土壌や野菜のサンプルを採取したほか、飯舘村の水田の土壌も採取した。また、県内の直売所やスーパーマーケットなどから購入した野菜なども検査した。
その結果、(1)直売所から購入したニラ1種から基準を超える放射性物質を検出した、(2)南相馬市の野菜畑や福島市郊外の小規模農家、田村町の有機農家などから集めた野菜のサンプル(白菜やホウレンソウ、ニラ、ブロッコリーなど)11種全てから基準を超える放射性物質(8700〜152000ベクレル/kg)が検出された、(3)土壌は高い数値を示しており、長期的な政策と県全体の調査が必要である、としている。
また、今回は都市部を中心に県内261地点の放射線量を測定したところ、福島市や郡山市で高い値を示した。調査は地上10cmと1mのところを測定しているが、放射性物質は地表に堆積しているため身長の低い子どもの方が影響を受けやすい。
グリンピースは子どもが放射線の影響を受けやすいことを考慮して「校庭で年間積算量1ミリシーベルトを超える高い放射線量が測定された学校は、除染の対策が講じられるまで休校などの措置を取ること」を政府に要請している。
◆いつ帰れるのか、はっきりしてほしい
被災し、地元を離れている人々に正確な情報が届いているのか、また求められている情報は何なのか…グリーンピースは福島県浪江町や双葉町、南相馬市等から山形県米沢市に避難している362人のうち48人にアンケート調査を行った。
その結果8割の人が政府や自治体から伝えられる情報が十分でないと感じており、情報が分かりにくいと思っている人が8割近かった。
放射線汚染についての政府や自治体への要望としては「早く安全な生活がしたい」「生活保障をしっかりしてほしい」「早く帰れるようにしてほしい」「放射能の拡散を止めてほしい」などの意見のほか「いつ帰れるのかはっきりしてほしい」「放射能汚染で帰れないなら帰れないと、はっきり教えてほしい」などの意見があった。
放射能汚染で最も恐れることは「被ばくによる身体的影響」「子どもの体への影響」「農業ができなくなる」「地元に帰れないこと」「自宅の喪失」「仕事や生活基盤の喪失」「就業や結婚などでの被ばく者への差別」などが挙げられた。
故郷にこれまで通り住み続けられるのか、この先どうなるのか…不安の中で避難生活を送る人々に正確で必要な情報が届いていない。
写真:福島県田村町の有機農家の畑で土壌と作物のサンプルを採取するグリーンピースの調査チーム。(写真 Christian Aslund/Greenpeace)
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