2011年04月21日00時31分掲載
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核・原子力
【福島原発事故情報共同デスク】国際的な原発輸出ネットワークの危機
菅政権は、2010年6月にまとめた新成長戦略で「原発輸出」を国家プロジェクトに位置づけました。福島原発事故の後にも、日本政府は、原発輸出を引き続き進める姿勢を撤回していません。日本もイギリスからプルトニウムを輸入していることに示されるように、原発技術や燃料を取引する国際的なネットワークは、世界中に張りめぐらされています。しかし、台湾中央社によれば、今回の福島原発事故は、国際的な原発輸出のネットワークに大きな動揺を与えました。(安藤丈将)
イギリス紙『インディペンデント』によると、東日本大地震後、世界最大のプルトニュウム倉庫―セラフィードMOX燃料加工場(The Sellafield Moxplant)が最大の破綻を迎えている。加工場はこれから10年間、プルトニウムで1000トンのMOX燃料を生産する予定だったが、今の状況では目標達成が困難とみられる。
福島第一3号機でMOX燃料損傷によるプルトニウム漏れ事件は、日本人の原発に対する恐怖心を煽り、英国のMOX燃料輸出計画を凍結状態にした。これまでイギリス政府は、プルトニウムを解消するため、日本へのMOX燃料輸出に大きな期待をかけていた。
中部電力を含む日本の9大電力会社は、2019年までに、イギリスからMOX燃料を購入しないと話している。これでは、10年間1000トンのMOX輸出計画が座礁してしまう。
セラフィード工場は2002年から操業し、これまで13億ボンドの費用が費やされた。しかし、9年間の生産量は13.8トンにすぎず、目標の年間120トンとは程遠い。
ロンドン駐在アメリカ大使館の機密情報によると、MOX工場は年間予算は9000万ボンド余りだ。イギリスの官僚も、これが英国の工業史上もっとも屈辱的な失敗だと嘆いている(抄訳:ダン・ギンリン)。
Source: 中央社(台湾)
http://www.cna.com.tw/SearchNews/doDetail.aspx?id=201104120002&q=%e6%97%a5%e9%9c%87%e7%81%bd%e5%be%8c+%e8%8b%b1%e6%a0%b8%e7%87%83%e6%96%99%e5%8a%a0%e5%b7%a5%e8%a7%b8%e7%a4%81
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