2011年04月24日16時41分掲載
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アジア
長谷川まり子氏が講演を開催〜インドから児童買春防止に取り組む団体を招聘〜
「がん患者のセックス」「少女売買」などの著者でジャーナリストの長谷川まり子さんが講演会を行う。長谷川さんは南アジアの児童買春防止活動を行うNPO団体を運営している。今回の講演ではインドから地元で児童買春防止に取り組んでいるレスキュー・ファンデーションを日本に呼ぶ。
レスキュー・ファンデーションはこれまでの18年間で、多くのネパール人の少女をインドの買春地帯から救出してきた。今回、代表のトリベニさんと救出スタッフのサントッシュさんが来日する。元インド軍人だったトリベニさんの夫は2005年、少女の救出活動に向う途中、交通事故で死亡した。買春地帯をはじめとする闇社会を司るマフィアに暗殺されたとも噂された。そんな夫の遺志をつぎ、トリベニ代表はジャーナリストの職を辞し、精力的な活動を続けている。
■講演日時
5月14日(土)横浜講演11時〜。
5月15日(日)東京講演13時30分〜。
講演会は無料。詳細はNPOラリグリス・ジャパンのホームページをご参照ください。
http://www.laligurans.org
以下は長谷川さんの案内状から。
■ネパールから
「ネパールの新聞・テレビは経済的な事情から、日本に特派員を置いていません。よって、現地ジャーナリストは、CNNやBBC等の海外テレビニュース、インターネット情報、および日本在住のネパール人の知り合いを通じて、日本の震災について報道しています。結果、正しい情報が十分に伝わっておらず、また、現地は1日14時間停電でもあるため、メディア情報を満足に享受できない状況でもあります。そのため、断片的に入ってくる情報をもとに、たいへん心配してくれていました。
マイティの子どもたちは、鶴を折ってくれました。ホスピスの子どもたちは、敷地内に自生するクローバーの中から、四葉のものを必死に探し、掌いっぱい託してくれました。NDWSのスタッフと子どもの父兄たちも、みんなで集まって祈ってくれました。インドのレスキュー・ファンデーションの女の子たちは、プージャ(宗教的なお祈り)を行ってくれました。その他にも、ここには書ききれないほどの方々が、日本のすべてのみなさまのために、思いを寄せてくれています。本当にありがたいことです。」
■震災でも講演を行う
「・・・インドのレスキュー・ファンデーションを招聘し、講演会を開催する件です。この計画は、昨年中に立案され、これまで準備を重ねてまいりました。しかし、企画立ち上げ当時とは、状況が大きく変わってきております。未曾有の大災害に今も苦しむ日本の方々がおられる中、果たして「今」、講演会を開催すべきであるか否か。レスキュー・ファンデーションからも、「このような時期に、本当に伺ってもいいのでしょうか?」との相談を受けました。
私たちは南アジアの児童買春防止の活動に取り組んでいます。この瞬間にも被害に遭っている少女たちが数多く存在します。問題解決のために、今日も明日も明後日も、支援を継続していかねばなりません。同時に、私たちの暮らす日本の厳しい事態を見過ごすこともできません。よって、「日本のためにも、インドのためにも、ネパールのためにも、私たちにできることを精一杯やる」そのような結論に至りました。
といっても、当会は、災害時の緊急支援のノウハウを持ってはおりません。なので、団体としてとくに募金窓口を設ける等はいたしませんが、節電に勤める、各種窓口を通して義援金を送る、被災地のボランティア活動に参加する等、すでにたくさんのみなさまが、自分にできることに積極的に取り組んでおられるようです。そんなみなさまの姿に勇気づけられる思いです。私もそのひとりとして、今後も出来る限りのことをしていきたいと思っています。
最後にひとつ。
講演会開催を後押ししてくれたひとつのエピソードをお知らせします。ネパール滞在中、多くのネパールの方が、現地のトップニュースとして流れた日本人スピリットについて、私にこう話してくれました。
「テレビで、日本がヒマラヤの貧しい地域に米を送ってくれたというニュースを観た。自分の国がこんなにたいへんな時なのに、それでもネパールのことを思ってお米を支援してくれるなんて。日本人ってすごいって、みんな感動していた」
ひとりの日本人として、とても誇らしく思いました。職業意識の高さや責任感の強さこそが日本人。そのマインドがあるから、戦後、ここまでがんばってこれたんだと思う。だから、今回の危機もきっと乗り越えられるはず。一緒にがんばりましょう,と、お伝えしました。
ラリグラス・ジャパン
代表 長谷川まり子 」
■日刊ベリタの長谷川さんの紹介記事
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