2011年05月27日14時21分掲載  無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=201105271421095

「日本最後の護送船団、電力会社の料金設定方法     絶対に損をしない料金体系 総括原価方式」を批判する   山崎久隆

【たんぽぽ舎原発情報】電気料金を決める方法を総括原価方式といいます。事業にかかる必要経費を積み上げた上に、その4.4%相当分の報酬を乗せて、電力料金を決められる仕組みになっています。そのうえ石油の値段が上がったら(下がってもですが)三ヶ月後にその価格に見合って変動させることが出来ますから、至れり尽くせりです。 
 
  他の産業でも、例えば鉄道やバスなどの交通も同じ方式をとっていますが、他に代替手段がある交通では、簡単に価格に転嫁など出来ませんので自ずと抑制的になります。特に競合路線の多い交通は、実際には現在は値上げは極めて困難になっています。コストが増えても簡単に商品価格に転嫁など出来ません。それがむしろ鉄道の安全性を脅かしているのが現実です。 
 
  必要経費には当然ながら発電所建設費用が含まれますので、発電所コストか電気料金に跳ね返ります。当然ながら高くつけばつくほど利益が上がる仕組みであることになります。もっとも、ものには限度があり、いまでさえ日本の電気料金は世界でも高いとされています。欧米諸国の倍くらいなので、そろそろ限界ですが、この総括原価方式と地域独占がセットになって、電力のやりたい放題を許してきたわけですから、今後は継続させてはいけません。 
 
  いいかげん、この方式そのものを転換しないと、日本ではエネルギー政策を転換することなど不可能になってしまいます。 


Copyright (C) Berita unless otherwise noted.
  • 日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
  • 印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。