2011年05月29日07時29分掲載
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アジア
シンガポールでの不動産購入、中国人が外国人のトップに
経済的に力をつけた中国人の海外旅行熱や海外での不動産投資・購入が熱を帯びる中、「東南アジアのハブ都市」シンガポールでも、2011年第1四半期の不動産購入で中国人が初めて非シンガポール人購入者のトップの座に踊り出た。外国人の不動産購入者の筆頭は2008年以降、マレーシア人だった。(クアラルンプール=和田等)
地元英字紙ストレーツ・タイムズが5月25日に報じた、不動産コンサルタント、DTZリサーチによる報告書をふまえてまとめた最新統計によれば、第1四半期に外国人が購入した同国の新規・中古不動産は1028物件で、全体の16%を占めた。この比率は、2007年第4四半期に記録した15%を上回り、データの公表が始まった1995年以降で最高となった。外国人による不動産購入物件数は、2010年第4四半期も1092件で、11年第1四半期まで4四半期連続で1000件台を維持している。
この動きに関してDTZリサーチの東南アジア研究部責任者、チュア・チョーフーン氏は、安全な投資先としてのシンガポールの評判が保たれていることから引き続き同国が外国人の関心を引き付けていることの表れとの診断を下している。
外国人購入者の内訳をみると、中国人が24%を占め初めてトップの座に躍り出る一方で、前四半期の24%から21%にシェアを下げたマレーシア人はトップの座を譲った形になった。またシンガポール永住権を持つ外国人のシェアは前四半期と同じ17%だった。
華人が人口の7割以上を占め、言語的・文化的に共通性があること、投資先として安全性が高いこと、飽和傾向を示し始めた国内不動産市場を考慮して、中国人がシンガポールにおける不動産投資を活発化させたとみられるが、中国人による旺盛な海外での不動産投資の動きにはさらに拍車がかかりそうだ。
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