2011年06月11日15時26分掲載  無料記事
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農と食

食糧の備蓄と取引の透明性

  不動産取引が下火になった後、食糧が投機の対象となっている。国際的に反貧困活動を繰り広げてきたOxfamは今秋11月にフランスで開催されるG20に向けてアクションを起こそうとしている。というのもG20のテーマの1つが食糧問題だからだ。そこで同団体では独自の提言への署名活動などを行っている。 
 
  注目されるのは食糧の備蓄と取引の透明性を求める制度を創設せよ、という提言である。食糧の備蓄はどこにどれだけ存在するか、食糧生産の見込みはどのくらいか、食糧の輸出入はどのくらいか。そういった食糧情報について民間企業、政府、地方自治体を含めた監視体制を敷け、というのである。これは投機を防ぐためだ。 
 
  かつてAttacなどの組織はヘッジファンドによる不透明かつ、素早い資本移動を監視できるようにせよ、と提言を行ってきた。そのヘッジファンドが今や、食糧をターゲットにし始めた。そのことと食糧情報の透明性を求める要求は対応している。 
 
  食糧は国のセキュリティの問題である。いつでも好きなだけ安価な食糧が手に入る、という時代は終わりを迎える。その理由は人口の増加、食糧生産性の増加率が低迷しつつあること、気候変動などである。 
 
■Oxfam International のブログから 
http://blogs.oxfam.org/en/blog/11-06-08-not-just-another-boring-g20-petition 
「透明性を」 
 ’Increase transparency: Governments should agree to provide transparent information on the status of food stocks, including from major private sector traders and investors, national/regional reserves (as well as current and predicted supply, demand and export capacity.) Why? Because such information deters speculation, squashes unfounded rumors and helps alert everyone to impending problems. 
 
「投機に対して規制を」 
  Regulate financial speculation: G20 governments should establish a regulatory framework to ensure futures markets operate in a fair and transparent manner, without market abuse and excessive speculation. Price limits, position limits and restrictions on passive speculation should be introduced or strengthened, and existing loopholes should be closed.’ 


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