2011年06月29日13時06分掲載
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核・原子力
【たんぽぽ舎原発情報】玄海原発はもっとも危険な原発・爆発の心配 井野博満東大名誉教授が警告
もっとも危険な原発−それは疑いなく、この玄海原発だ。もし事故が起きれば、その被害は福島第一の比ではない。予想される「大爆発」は、人々の命も日本の未来も、根こそぎ飛ばしてしまう。原子炉は老朽化するにつれ、圧力容器が脆化=劣化していきます。すると、ある条件に陥った場合に、容器がバリン、と割れてしまう危険性があるのです。 井野博満東大名誉教授が警告しています。井野氏は、日本で最も古い原子炉の一つ、玄海原発1号機の危険性を強く警告し続けている研究者です。(たんぽぽ舎「地震と原発事故情報」その105から)
1975年に稼働した玄海原発1号機は、いまや日本一危険な原子炉であるといっても差し支えありません。なぜなら、地震や故障など、何らかの原因で通常の冷却機能が停止し、緊急炉心冷却装置(ECCS)が作動して原子炉圧力容器が急冷されると、その際に容器そのものが破壊されてしまう危険性があるからです。
では、その脆化=劣化とはどういうものなのでしょうか。簡単に言えば、中性子線によって金属の柔軟性・弾力性が失われて“硬く”なり、壊れやすくなる、ということです。
人体にたとえれば、動脈硬化によって血管が破れやすくなるのをイメージして下さい。金属の場合、劣化が進むと、「ある温度」(脆性遷移温度と言います)より低くなると、まるで陶磁器が割れるように、小さな力であっさりと割れてしまうようになります。この現象が、玄海原発1号機のような老朽化原子炉ではすすんでいるのです。
もしも玄海原発1号機が爆発を起こした場合、周辺にどれほどの被害を及ぼすのか。元京都大学原子炉実験所講師の小林圭二氏は、こう語る。
「原子炉の脆性破壊は、いまだかつて世界が経験したことがない、巨大な事故になります。福島第一の事故は深刻ですが、それでも放射性物質の9割は圧力容器内に残っていると思われます。しかし、脆性破壊で爆発が起きれば、圧力容器は空になり、ほぼすべての放射性物質が放出されてしまいます。被害は玄海原発がある九州だけでなく、東は大阪にまで及ぶでしょう。大阪は現在の福島県の一部
のように、避難区域になって住めなくなります。しかも、事故の進展が早いので、退避することも難しい。さらに、被害は中国など近隣のアジア諸国はもちろん、欧米にまで及ぶことになるでしょう」
呆れたことに、原子力安全・保安院は、玄海原発1号機の異様に高い脆性遷移温度のことを、昨年12月に私たち「原発老朽化問題研究会」が指摘するまで、把握していませんでした。
九州電力はこの情報を保安院に伝えておらず、保安院も電力会社に問い合わせる義務がないので知らなかったと言うのです。福島第一原発の事故で、原子力の管理・監視体制が全く機能しなかったことが問題になっていますが、ここでも同じことが起きている。
安全性が顧みられないうちに、日本の原発の老朽化はどんど
ん進んでいます。脆性遷移温度が危険域にあるのは玄海1号機だけではありません。美浜1号機は81度、同2号機が78度、大飯2号機が70度、高浜1号機が54度と、ワースト2位から5位まで、福井県にある関西電力が占めています。
老朽化原発は一刻も早く、廃炉にする必要があります。玄海1号機のように、本来40年の使用を想定していたのを強引に60年に延長して使おうなどというのは、もってのほかです。(7/2週刊現代から抜粋)
◆九州電力と経産省へFAXを送ろう=「玄海原発動かすな」
佐賀県へ抗議!
秘書課 FAX:0952-25-7288 TEL:0952-25-7007
原子力安全対策課 FAX:0952-25-7269 TEL:0952-25-7081
◆経済産業省へ抗議! 原子力発電立地対策広報室
FAX:03-3580-8493 TEL:03-3501-1511
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