2011年07月06日13時04分掲載
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核・原子力
玄海原発の再稼働を許さない市民の動き メディアでも安全性への疑問が続出
管首相は佐賀県玄海原発を皮切りに現在停止中の原発再稼働を強力に進めようとしおている。だが、本当に安全と言えるのか。「原発再稼働 安全おざなり 馬淵前首相補佐官に聞く」、7月6日付の東京新聞記事の見出しである。7月5日朝のNHKテレビ。九州電力玄海原発の抜本的安全対策はこれから(現在はできていない)と報じた。具体的には、フクシマ原発の教訓=地震、津波対策は、3年後に完成(予定)、原子炉の安全な冷温停止をめざす対策は1年後に完成(予定)という内容。ようするに安全対策は何もできていないということだ。九電や玄海原発の足元では市民の反発が強まり、東京でも再稼働反対運動が動き出した。(日刊ベリタ編集部)
馬淵澄夫衆院議員は東京電力福島第一原発事故の収束に向けた中長期対策の責任者を務め、6月末に首相補佐官を退任した。東京新聞のインタビュー記事に次のようなやり取りがる。
−経産副大臣のポストを提示されたが、断った。
「今回の九州電力玄海原発(の再稼働要請)も含め、国民は政府や電力会社の安全宣言に疑念を持っている。原子力安全規制に対する経産省の考え方は今までと何一つ変わっておらず、それを追認、容認することはできないのでお断りした」
政府の原発事故収束対策の最前線にいた与党政治家がこう言い切っているのである。
脱原発市民運動のセンター的役割を果たしているたんぽぽ舎の柳田真共同代表は次のように述べている。
「九電は、緊急対策で電源車を各1台配置したと言うが、フクシマ事故の時、たくさんの電源車がかけつけたが果して役立ったかどうか? ほとんど機能しなかったと聞いている。これで果して、原発再開していいの?3.11前と同じ意識ではダメなんだ。もし、余震・地震がおきて「第2のフクシマ」が発生したら誰が責任をとるのか。近隣の市=唐津市や松浦市が再開に異議を唱えるのは当然だ」
7月7日には、 都内で二つの市民行動がある。以下紹介する。
【菅首相は玄海を再稼動させるな! 首相官邸前アクション】
玄海原発の再稼動に向けた動きが加速しています。海江田経産相が6月29日に佐賀県入りして、岸本玄海町長と古川佐賀県知事に再稼動を要請。岸本町長は7月4日、再稼動に正式同意し、古川知事も会談後に「安全性はクリアされた」と表明しています。知事は、7月8日の佐賀県主催の県民説明会、11日の県議会特別委員会での審議を踏まえて、ゴーサインを出すと見られています。さらに、知事が菅首相の佐賀県訪問を要請する中、菅首相の動向が焦点として浮上しています。
原子力安全委員会は、国による安全審査の基準となる「安全設計審査指針」「耐震設計審査指針」の見直し(完了まで2〜3年)に着手したばかりです。また、福島第一原発事故調査・検証委員会も発足したばかりであり、事故原因の解明はこれからです。そもそも、安全審査に失敗した原子力安全・保安院に「安全」を保証する資格はありません。こうした状況で再稼動させるのは言語道断です。さらに、過酷事故の被害が広範囲に及ぶことが明らかになった中で、地元自治体と都道府県の首長の了解のみで再稼動を決定することは、到底許されるものではありません。
私たちは、地元佐賀県や北九州における再稼動反対の取り組みに呼応して、菅首相に再稼動させないことを迫る緊急の首相官邸前アクションを呼びかけます。要請文やプラカード、横断幕や鳴り物などの持ち寄り大歓迎です。ぜひご参加ください!
【日 程】 7月7日(木)
【集合時間】 午後6時30分
【集合場所】 国会記者会館前
(アクセス 地下鉄:丸ノ内線・千代田線「国会議事堂前」下車すぐ)
※首相官邸前でアピール行動を行い、内閣府に菅首相あての要請文を 提出します(要請文の持ち寄りを歓迎します)。
【呼びかけ】 福島原発事故緊急会議
[連絡先] ピープルズ・プラン研究所
(TEL) 03-6424-5748 (FAX) 03-6424-5749
(E-mail) contact@2011shinsai.info
(情報共同デスク) http://2011shinsai.info
【玄海原発運転再開を許すな 院内集会】
〜福島原発事故〜
国の安全設計審査指針は破綻
九電の緊急安全対策で炉心溶融は防げない
国は今週末にも九州電力の玄海原発2、3号機の運転再開を許そうとしています。これらの原発は福島第一原発事故以降、運転再開が初めて検討されている原発です。
■日 時:7月7日(木)15:00〜17:30
■場 所:参議院議員会館 講堂
■資料代:500円
集会15:00〜16:00
石橋克彦(地震学・神戸大学名誉教授・「原発震災」
という表現を始めて使った学者)
美浜の会「九州電力の緊急安全対策は不十分」
澤井正子(原子力資料情報室)
16:10〜17:30
原子力安全委員会/原子力安全・保安院 回答と議員・市民の
疑問に対するやり取り
国の安全設計審査指針は破綻:
長期の全電源喪失を考慮する必要はないとする国の安全設計審査指針(「発電用軽水型原子炉施設に関する安全設計審査指針」の指針27)は,福島第一原発事故をもって破綻しました。原子力安全委員会の斑目春樹委員長も、指針は「間違いだった」と認めています。九州電力の玄海原発は国のこの破綻した「安全設計審査指針」に基づいて審査・建設されています。現行の指針が無効になった以上、玄海2号と3号の設計上の安全性は保証されていません。
福島第一原発事故は未だ収束しておらず、事故の全容はまだ把握されていません:
津波被害だけでなく、地震によって多数の配管が損傷を受けている可能性があります。詳細な実態調査は今からなのに、玄海原発の運転再開を許すのは無謀です。
多くの立地県は、原子力安全・保安院の現在の判断では運転再開を認められないという姿勢を表明しています:
福島第一原発事故の責任は原子力安全・保安院にもあります。事故の責任をあいまいにしたまま、原発の安全は確保されているなどという保安院の判断はまったく信用できません。福井県など多くの立地県は、原子力 安全・保安院の現在の判断では運転再開を認められないとの姿勢を表明しています。
九州電力の緊急安全対策で炉心溶融は防げない!
今年3月30日、経済産業大臣は全電源喪失を前提にしても炉心溶融が起こらないための対策を示すよう九州電力等に指示しました。九州電力が国に提出した対策は、タービン動補助給水ポンプに全面的に依存したもので絵に描いた餅にすぎません。
【主 催】
原子力資料情報室、グリーン・アクション、
美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会
【後 援】eシフト
【問合せ】原子力資料情報室(澤井正子)携帯:090-4422-5394
グリーン・アクション(スミス)携帯:090-3620-9251
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