2011年08月01日13時29分掲載
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中国
空母と人民日報 鬼塚忠
日本で今中国の話題といえば、新幹線の話で持ちきりだが、中国の人民日報で今一面を飾っているのは、空母の話だ。おそらく空母の話は新幹線と同じかそれ以上に日本にとって重要な話題だ。
人民日報で面白い現象を読める。中国政府は、ネット世論に敏感であり、書き込みをくまなくチェックしているそうだ。そして中国政府の意にそわない書き込みに対しては、何らかの手段を使って抑え込む。しかしネット世論への対応はそれだけじゃない。実はネット世論を利用しているのだ。
http://j.people.com.cn/94474/7455726.html
一国の大部数の新聞が、主要記事の中で、誰が書いたとも分からないネットの書き込みを4本採用している。言い換えれば、ネットの書き込みだけで記事を書いている。私はこの手の記事をはじめて読んだ。
有象無象あるネットの書き込み、その中で自分に都合のいい書き込みだけを抽出して新聞記事を作っている。これは人民日報の手法で、真に自分が言いたいことを他者の言論を引用して表現する。たしかに、軍備拡張のようなことはさすがに大新聞には書けない。
鬼塚忠 作家・出版エージェント
「アップルシード・エージェンシー」代表
http://www.appleseed.co.jp/
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