2011年08月07日14時12分掲載  無料記事
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農と食

食を脅かす放射能と遺伝子組み換え  「食と農から生物多様性を考える市民ネットワーク」(食農市民ネット)が発足

  「食と農から生物多様性を考える市民ネットワーク」(食農市民ネット)の設立総会が、東日本大震災の影響で日程を変更して、2011年6月11日に名古屋市内で開かれました。(『消費者リポート』特約) 
 
  総会では、生物多様性を脅かす遺伝子組み換え生物の問題点を広く知らせ、組み換え生物の規制強化に向けた活動などを主な目的として掲げた趣意書を承認。さらに、10年10月のカルタヘナ議定書締約国会議で採択された国際ルール「名古屋・クアラルンプール補足議定書」に実効性をもたせるため、政府や国会に国内法の改正や整備を求めたり、市民向けに情報発信を行なうなどの活動計画を確認しました。 
 
◆放射能と組み換えの共通点 
 
  食農市民ネット共同代表の一人天笠啓祐さんは「食と農の危機」と題して、福島原発事故により消費者と生産者が一緒に守ってきた食べものと農業が危機的状況に陥っている現状を説明。さらに、原発も組み換えも「『制御できない』『企業と科学者、政府一体で作られた安全神話」の上に成り立つ』という点で『双子の兄弟』。ただし、放射性物質が時間の経過とともに減っていくのに対し、組み換え生物は自己増殖するため、より危険度が高いとも言える」と指摘しました。 
 
  最後に、「原発事故による放射能汚染がもたらした危機は、遺伝子組み換え作物がもたらす危機の構造を浮かび上がらせた。組み換え汚染を起こさせないよう、厳しい規制の仕組みをつくらせよう」というアピールを採択しました。 
(纐纈美千世) 


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