2011年08月13日11時12分掲載
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沖縄/日米安保
今日13日は米軍ヘリ墜落7年目 沖縄二紙、社説を掲げ抗議と警告
米海兵隊の大型輸送ヘリコプターが宜野湾市の沖縄国際大学に墜落して、13日で7年。米軍普天間飛行場の返還は進展しないま同飛行場には、事故多発で危険とされる垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの配備方針が示されるなど、住民の騒音被害と危険は深まる一方だ。沖縄タイムスと琉球新報はそろってこの問題を社説に掲げた。(日刊ベリタ編集部)
<沖縄タイムス>
沖縄タイムスはまず、辺野古への移設反対と普天間固定化を結び付ける日米政府などの言動に「危険性を放置することは政治の責任を放棄することにほかならない」と警告する。
そして、「あらゆる選挙で示された沖縄の民意に加え」米議会内からですら有力議員から「設先を名護市辺野古とする日米合意は非現実的で機能せず、費用負担もできない」と異論が出されるなど、事態は変化しているにもかかわらず、「日米合意」に固執する日米政府に「辺野古にこだわればこだわるほど時間 を浪費するだけである」と迫っている。
さらに、日本政府の自主性のなさに言及、次のように書いている。
「政府に際立つのは自主性のなさだ。告発サイト「ウィキリークス」が暴露した普天間をめぐる政治家や官 僚の対米交渉は、独立国とはとても思えない。発足時の民主党政権が目指した「国外、県外」移設を進めるどころか、逆に政権の足をひっぱる倒錯ぶりである。 どこに目を向けているのか。情けない限りだ。」
「米側からはオスプレイ配備の情報がこれまでさんざん出ていたが、政府が認めることはなかった。それなのに米国が発表するや、何の異議を挟むのでもなく右から左に県や宜野湾市などに伝達した。」
原発事故への対応でも、差があることを率直に指摘している。
「原発事故以来、基地問題との共通性が指摘されるが、決定的に違うのは原発はまがりなりにも立地自治体の了承を取り付けている点だ。事故後は、政府がエネルギー政策転換に踏み込んでいる。」
「これに対し基地問題は地元がノーを突きつけても政府は思考停止のまま県内移設にこだわる。理不尽極まりない」
<琉球新報>
琉球新報13日の社説は「ヘリ墜落7年 見過ごせない二つの差別」と題されている。二つに差別とはこういうことだ。
「一つは米本国や欧州との違いだ。米本国の海兵隊基地キャンプ・ペンドルトンで民間地上空を軍用機が飛ぶことは皆無だ。 これに対し普天間は、米軍の基準では建物があってはならない滑走路間近の区域(クリアゾーン)に18の公共施設があり、4千人が暮らす。米本国だと即刻 運用を停止しなければならないのに、危険な訓練は今も続き、あまつさえ来秋には7回も墜落した「未亡人製造機」オスプレイを配備するという。狂気の沙汰と しか思えない。」
「イタリアの基地では夏場の昼寝の時間帯には一切米軍機が飛ばない。だが沖縄では、夜間の発着を原則禁止とする協定を結んでも平然と破り、午前2時、3時に爆音をまき散らす。あたかも東洋人には人権はないと言わんばかりだ。」
二つ目の差別は日本政府の対応だ。
「当時の小泉純一郎首相は事故後、観劇を楽しむ一方、知事との面談は拒否した。東京都心の大学あるいは小中学校に米軍機が墜落しても同じ対応をしただろうか。」
「その後の移設先検討でも、北海道や九州を検討してもよいとする米国に対し、日本側は沖縄県外をはなから検討しようとしなかった。理由は「住民の反対」。沖縄の民意は無視するのに、本土の民意は重視するという姿勢だった。」
差別される側に妥協はない。社説が次のように言いきっている。
「差別に目覚めた県民は、もはや分水嶺(れい)を渡っているといっていい。仲井真弘多知事が言う通り、県内を検討するのは時間の無駄だ。普天間は即刻閉鎖するしかない。」
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