2011年08月18日03時03分掲載
無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=201108180303014
中南米
チリの学生デモとパリ五月革命
スペインの新聞エル・パイス(El Pais)紙によればチリの大学生たちによって結成されたチリ学生同盟(la Confederacion de Estudiantes de Chile)は16日、「学生の要求をまず政府が認めない限り、話し合いには応じない」と、上下両院から提示された話し合いを拒否した。そして右派のピニェラ政権に対する抗議活動をさらに強めている。チリ国民の80%が良質かつ無償の教育を要求している学生デモを支持しているという。
チリ学生同盟は現在、首都サンチアゴから520キロメートル南にあるビルバオ州の州都コンセプション(Concepcion)に集結している。学生運動の指導者の中には共産主義者も何人かいるが、デモに参加している学生たちには一般に政治家に対する疑念が強い。ある社会学者はこの学生デモを1968年のパリ五月革命に似ているとする。学生たちの要求している事柄や運動の文化的な側面、そして機能不全になった教育施設などだ。
一方、中学生の学生組織(la Coodinadora Nacional de Estudiantes Secundarios)は日曜、首都サンチアゴの北800キロに位置する町、コピアポ(Copiapo)に集結した。彼らは大学生とは異なり、議員との話し合いに応じることにした。しかし、政府の提案ではなく学生の要求に基づいた話し合いが前提であり、それを担保するためにデモを解除しないと学生リーダーはコメントした。
ところでここで中学生というのは日本における中学生とは学校システムの違いから年齢が異なることに注意が必要だ。外務省のサイトによると、チリの教育制度は初等教育(義務教育)8年、中等教育(職業教育を含む)4年の8・4制ということである。そして、この上に大学がある。19世紀にドイツとフランスの教育制度をモデルに作られたものだという。チリの教育水準は南米で最も高いという。http://www.mofa.go.jp/mofaj/world/kuni/0405chile.html
ピニェラ政権が恐れているのは紛糾が長引けばこのまま9月11日を迎えることになることだ。9月11日とはチリにおいては同時多発テロではなく、1973年9月11日に起きた、アジェンデ政権を倒したピノチェット将軍によるクーデターの日である。
http://www.elpais.com/articulo/internacional/estudiantes/chilenos/redoblan/desafio/presidente/Pinera/elpepuint/20110817elpepiint_4/Tes
Copyright (C) Berita unless otherwise noted.
日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。