2011年08月25日09時51分掲載
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米国
東部バージニア州の地震は人為か? 水圧による岩盤破砕工事が影響、と地質学者
先日(8月22日)米国東部、バージニア州のミネラルという町を震源地とするマグニチュード5.9の地震が発生した。この地域では異例な地震であるし、震源地には活断層はなかった。この地震は、人間が行っているフラッキング(hydraulic fracturing―水圧による破砕)という作業に起因しているかもしれないという記事を紹介する( http://www.opednews.com/articles/Did-Fracking-Cause-the-Vir-by-Dr-Stuart-Jeanne-B-110823-993.html)。(バンクーバー=落合栄一郎)
バージニアの隣、西バージニア州で行われているフラッキングが原因かもしれないと多くの地質学者は、考えている。フラッキングとは、地中深く、穴を掘り、高圧の水を注入して地殻を拡大、天然ガスや石油の通りを良くするという作業である。西バージニア州、ブラクストン郡(バージニア州ミネラルから250km)では数年前からフラッキングが始まって以来、異常な小規模地震が多発している(2010年に8回)。
アーカンソー州でもフラッキングが始まって以来、小規模地震が多発し(ときには1日に20回ほども)ているし、テキサス州、ニューヨーク州西部、オクラホマなどでの異常な地震も、フラッキングが関係しているらしい。今まで、1度も地震に見舞われたことがない、イギリスのブラックプールでもフラッキングによると思われる地震が発生した。
こうした工事を行う側の科学者達は、フラッキングはすでに60年も操業しているのに、地震はそんなに起きていないことから、地震との関連を否定している。しかし、10年ほど前から、岩盤破砕を容易にするために新たな工法が導入されて、注入する水に細かい砂や塩、ベンゼンなどの化合物を入れることが始まった。汚染水も注入される(これが地下水を汚染することも問題になっている)。数年前からは、さらに水平方向への延長、多段階フラッキングなども導入された。
フラッキングがこうした地震を引き起こす可能性を示唆するデータには、その禁止と地震発生の減少との関連性がある。例えば、アーカンソー州の石油/ガス理事会がフラッキングを禁止すると、地震の頻度は3分の2に減った。テキサス州では、ダラス地区で、2008年にフフラッキングが始まり、2009年に停止されたが地震もそれに呼応していた。イギリスのブラックプールでは、さらに地震が起きる前にフラッキングは禁止された。
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