2011年10月07日22時50分掲載  無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=201110072250575

国際

米ロ間の確執  〜ロシアの論客が米ミサイル防衛システムの欧州配備を非難〜

  ボイス・オブ・ロシアの政治コラムニスト、Varentin Zorin教授はアメリカがルーマニアとトルコにミサイル防衛システムの配備を進めていることをコラム「モスクワからの眺め」で非難した。 
http://english.ruvr.ru/radio_broadcast/2248290/56549455.html 
  コラムによると、米国はロシア封じ込め政策として、ロシアの南に位置する国々にミサイル防衛システムの配備を進めている。最近、ルーマニア政府とアメリカのミサイル基地を設置する契約を結び、さらにトルコ政府とはトルコ南東部のMalatyaにレーダー基地を設置する契約を結んだという。これらはポーランドとチェコにミサイル迎撃システムを配備しないとした米ロ間の合意の真意、つまり米ロ間の関係を改善する意図を裏切るものであるとしている。 
 
  さらにアメリカのミサイル防衛システムは開発に1.5兆ドルを超える予算をつぎ込んでいるが、米政府のレポートではその目標には失敗しているらしい。1.5兆ドルは今後10年間で超党派の12人の委員会が削減しなくてはならない公的債務の額に等しい。その金は軍産複合体の銀行口座に入ったのだ、とZorin教授は指摘している。 
 
■10月7日付ニューヨークタイムズに「米艦船のスペイン沖への配置も’認められない’とロシア」なる見出しのベタ記事が出ていた。 
 「NATOミサイル防衛システムの一環として、スペインの大西洋岸の軍港に4隻の米艦船を配置するとのアメリカの決定は’認められない’とロシア外相が木曜日にウェブサイトで声明を出した」とある。これは’イラン’など仮想敵国からの攻撃を防ぐためのものと説明されている。 
  スペインはポーランド、ルーマニア、トルコに次いで欧州で4番目の米主導のNATOミサイル防衛システムの参加国となった。この計画は2009年にオバマ大統領のもとで始まった。 
 
■ボイス・オブ・ロシア「スペインが米主導ABM計画に参加」  http://english.ruvr.ru/2011/10/07/58352638.html 
  このスペインの軍港はRotaであり、ジブラルタル海峡を出た少しのところ、つまり大西洋岸に位置する。カディス湾のカディスの向かいになる。ウィキペディアには次の記述がある。 
 
  「1955年より、スペイン海軍とアメリカ海軍とが共同で使用するロタ海軍基地が設置されている。この海軍基地は常に、アメリカ艦隊が地中海へ入る直前の最初の寄港地となっている。」 


Copyright (C) Berita unless otherwise noted.
  • 日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
  • 印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。