2011年10月15日14時08分掲載
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アジア
人民日報がロシアの北方領土守備部隊の近代化を報じる
中国の人民日報は今年に入り、ロシアが北方領土の軍備の近代化に乗り出していることを伝えている。3月1日の記事によると、ロシアの「50年代の骨董品」だった旧式兵器を一新することになるそうだ。ロシア総参謀部の高官によれば北方領土に「高射砲や対空ミサイル、さらには最新の「S400トライアンフ」地対空ミサイルシステムまで配備する」という。
今、北方領土をめぐる軍事力の強化をロシアが急いでいる背景を人民日報はこう説明している。韓国の「天安号」沈没事件以来、米日韓がアジア太平洋地域で軍事行動を頻繁に行っている。そのことがロシアの専門家やメディアの目には朝鮮だけでなく、中国とロシアにも「筋肉」を見せつけようとしているようにみえるらしいのだ。その上で、こんなことを指摘している。
「特にロシアと領土を争う日本は東北アジア情勢が変化するなかで危険を冒す可能性がある。
日本が一旦軍事行動を起こせば、ロシア側の軍事力では対応できない。メドベージェフ大統領の「視察」を契機に、日本の過敏な神経を刺激して日本が「激怒」したのを見計らい、南クリル諸島の防衛力を拡大すれば、それは正当な行為になるとロシア側関係者は話す」
興味深いのはロシアと米国が欧州へのミサイル防衛協議で合意したことでロシアには「東に手を伸ばす余裕ができた」としていることである。言うまでもないことだが、ロシアは米国が欧州にミサイル防衛システムを配備することに非常に神経を尖らせてきた。前回の米ロ合意の後に発表されたルーマニアとトルコへの新たなミサイル防衛システムの配備計画について「ボイス・オブ・ロシア」は米国を非難している。人民日報の見方に立てば、新たな欧州情勢は、ロシアの東方政策に変化を与えるのだろうか?
http://j.people.com.cn/94474/7305444.html
さらに人民日報は10月14日版でもロシアが北方領土の部隊の近代化を行っていることを報じている。
http://j.people.com.cn/94474/7617620.html
「ロシア国防省は南クリル諸島の軍備強化計画を実行に移し、対空ミサイル「ブクM1」、近代的通信設備、T80型戦車などを配備した。国防省は12日にこの情報を認めたうえ、近く新たな兵備を配備する方針を明らかにした。クリル諸島は徹底的に武装化される。ロシアのネット新聞ブズグリャドが伝えた。」
■米ロ間の確執 〜ロシアの論客が米ミサイル防衛システムの欧州配備を非難〜」
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