2011年10月18日12時38分掲載
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コラム
9回目の挑戦 鬼塚忠 (作家・出版エージェント)
弊社に所属している作家、長野慶太さんが三田文学新人賞を受賞しました。
http://www.amazon.co.jp/dp/B005PYWNW4/
長野さんとは五年以上の長いおつきあいで、以前から小説へかける想いを聞いていたので自分ごとのようにうれしいです。アメリカのラスベガス在住なので、そう多くは会えませんが、一時帰国した際は、打ち合わせなどで顔を合わせます。
長野さんは「部下は育てるな!取り替えよ!」(光文社)などビジネス書ではベストセラーを何冊か出しています。著書のうち半分以上は重版がかかり、その実力は出版界も認めるところです。
文学賞は実力もさることながら、運も必要です。なんせ莫大な応募作品の中から小説の面白さや書き手の才能といった数値化できないものを選考委員の主観で選ぶわけですから。実力だけでは選ばれません。相当な実力が伴ったうえで運が必要です。たとえいい作品でも選考委員が作品を読む前に下読みと言われる事前審査があります。その担当者の目に留まらなければいけないのです。下読みの方が、その日体調が悪かったら選ばれません。
過去ベストセラーになった作品が、実はある文学賞で一次選考で落選した作品だったなんて話はよく聞きます。その作品は受賞作の何倍も売れました。その文学賞を批判しているわけではなく、そういうものだと言いたいのです。本当に難しいことです。
長野氏は三田文学賞文学賞に九回も応募されたそうです。いまひとつのところで選考から漏れます。それでもあきらめません。そういう話を聞くと、運不運に振り回されずに一途に一所懸命に情熱をかけるのがいかに重要かと思います。
これから長野氏はビジネス書だけでなく小説家としても活躍するかもしれませんね。
今後の長野慶太に注目ください。
鬼塚忠 作家・出版エージェント
「アップルシード・エージェンシー」代表
http://www.appleseed.co.jp/
■日刊ベリタ編集部から
鬼塚さんの小説「カルテット!」が映画になりました。映画化にあたって鬼塚さんも共同脚本という形で参加しています。
被災地・浦安から生まれた家族の再生の物語です。
12月17日〜シネマイクスピアリで先行ロードショー、
1月7日〜全国ロードショーの予定です。
http://www.youtube.com/watch?v=OR2f2a46n8k&feature=player_embedded
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