2011年10月19日22時01分掲載
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欧州
「葬儀の音楽にはジャズを」 オランダのジャズバンド
「葬儀の音楽にジャズを」。そんな音楽ビジネスを欧州で展開しているのが昨年紹介したオランダのバンド、ディキシーランド・クラッカージャックスだ。彼らの演奏しているのはニューオーリンズで今も演奏されているディキシーランド・ジャズである。バスサックス奏者でバンドリーダーのBert Brandsma氏にお聞きした。
「事前にご家族と、どの曲を演奏するか相談します。2005年に私たちが出したCD、「カリビーン・スイート」の中の「Westlawn Dirge」は本当にニューオーリンズで葬儀用に演奏されている曲です。この曲は人気が高く、よく注文されますし、テレビ番組で演奏させられたこともあります。」
そのほか、よく演奏しているものに「Just A Closer Walk」がある。次の映像がこのバンドが演奏したその曲である。ニューオーリンズでも葬送で使われている。
http://www.youtube.com/watch?v=cMV8CW_xfKc&feature=relmfuまた、「A sentimental Mood」「Petite Fleur」「Besame Mucho」「 My Funny Valentine」などを演奏したこともあるという。
こちらの映像は「聖ジェームズ病院」である。これも葬儀で演奏するようだ。
http://www.youtube.com/watch?v=DniW3adiHzI&feature=relmfu
「私たちは厳格にディキシーランド・ジャズのスタイルを守っています。お客の多くはジャズファンです。007の映画シリーズの中の「Live And let Die」を見て注文してくる人もいました」
葬儀でジャズを演奏することは欧州では風変わりかもしれないが、評判はいいという。
「葬儀でジャズを演奏すると葬儀の列席者たちは二つの感情を同時に持つことになります。もちろん葬儀だから悲しいのですが、しかし、演奏に対してとても感謝の意をみなさん示してくださるのです」
バンドのウェブサイトから注文が来るが、オランダにはもう一つ、葬儀音楽専門のエージェント会社があり、そこを経由して注文が来ることもあるそうだ。いろんなお客さんから演奏を頼まれるが、時にはこんなこともあったという。
「一度、マフィアから注文がありました。アムステルダム・マフィアです。もちろん、最初はそんなことは一言も言っていませんでした。葬式の日になって、彼らと話しているうちに、マフィアだということがわかったのです。でも非常にフレンドリーで演奏後、すぐギャラを払ってくれました。さらに葬儀の後、食事に招待してくれました。<このレストランの前で2年前、仲間の一人が殺されたんだ。新聞の一面で報じられたよ>と教えてくれました。奇妙な体験でしたが、怖いとは思いませんでした。」
ただし、このバンドは葬儀の演奏がメインというわけではなく、ジャズ祭で演奏したり、放送のための演奏をしたり、スーパーの販売キャンペーンで演奏したりとさまざまだ。
■ディキシーランド・クラッカージャックスのホームページ
http://www.dixielandcrackerjacks.com/
■「欧州のクラシックジャズバンド」
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