2011年10月27日01時53分掲載
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パリの秋は文学賞の季節 漫画「ゴンクール賞への道」
秋はフランスでは文学賞の季節。日本の芥川賞に匹敵する文学賞はゴンクール賞である。「1903年より毎年アカデミー・ゴンクールの10人の会員によってパリ2区にあるミシュラン一つ星レストラン「ドルアン」(Drouant)で11月に選考・発表が行われる。」(ウィキペディア)
さらに11月初旬にはフェミナ賞やメディシス賞も発表される。ルノードー賞もゴンクール賞と同時期に発表されるが、こちらはゴンクール賞の選を待って、残念賞の意味合いがあると言われている。
ルノードー賞は「ゴンクール賞選定の結果を待って後に選出が行われ、同時に発表されることから、暗に「最高栄誉のゴンクール賞に対する残念賞」あるいは「反・ゴンクール賞」的意味合いもある。」(ウィキペディア)
さらにアンテラリエ賞がある。「主にジャーナリストによって書かれた小説に与えられる。現在は10名の男性ジャーナリストおよび前回の受賞者が審査員を務め、概ね11月初頭にパリのレストラン「Lasserre」で授与される。純粋な名誉賞であり、賞金などはない。」(ウィキペディア)
以上がフランスの五大文学賞と呼ばれているものだが、受賞の発表がすべて11月初旬に行われる。こうした文学賞の季節に合わせて、コルネリウス(Cornelius)出版から出るのが「ゴンクール賞への道」なる漫画である。本日(10月27日)フランスの書店に並ぶ。まさに受賞発表の1週間前にあたる。
漫画「ゴンクール賞への道」の一部分がルモンドで紹介されている。
http://www.lemonde.fr/livres/visuel/2011/10/26/en-route-pour-le-goncourt_1591781_3260.html
作家志望の男がどうやればゴンクール賞を取れる小説が書けるのか、悶々としている。まずいいペンネームが必要だ、と思って書いてみると、うっかりスポーツ選手の名前を書いてしまっていたり・・・過去の文豪らのトリビア的知識は豊富だが、いざ自分で小説を書こうとしてもさっぱり進まない・・・。医者のアドバイスで自転車をこぐと、カミユなど交通事故で死んだ文人が次々と頭に浮かんでくる。着想は睡眠から得られるかも・・・とベッドに入ると、ベッドで死んだユゴーのことが思い出される。こうなると不毛かつ病的だ。
■コルネリウス出版のホームページ
http://www.cornelius.fr/
なんだかほのぼのとしたホームページである。この中に「ゴンクール賞への道」の紹介もある。
http://www.cornelius.fr/blog/index.php?post/2011/10/24/En-route-pour-le-Goncourt
「ゴンクール賞への道」の作者はジャン=フランソワ・キエルツコフスキ(Jean-Francois Kierzkowski) とマチウ・エフルム( Mathieu Ephrem) の二人組である。
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