2011年10月27日19時14分掲載
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アフリカ
「エジプトの陸軍元帥を大統領に」 将来も軍が実権を把握?
エジプトでは次期大統領候補として、エジプト軍の陸軍元帥
Mohamed Hussein Tantawi氏を擁立する動きが起きている。元帥を推薦しているのは'Egypt Above All'という連合組織のようだ。
http://english.youm7.com/News.asp?NewsID=347318&
カイロやアレキサンドリアにはTantawi陸軍元帥のポスターがあちこちに貼られていると報じられている。現在、元帥は2月にムバラク大統領から引き継いだエジプトの暫定的な指導部、SCAF(The Supreme Council Armed forces)の議長であり、実質的な最高指導者である。この機関は20人の軍人で構成されている。
http://english.youm7.com/wikiNews.asp?NewsID=339712
インターナショナルヘラルドトリビューンは、Tantawi元帥を大統領候補者に擁立する動きに、恐怖を感じる市民が少なくないことを指摘している。というのは軍部が実権を握って離さないのではないか、という疑いからだ。'Egypt Above All'という連合体もいかなるグループか実態は不明としている。
Tantawi氏はムバラク大統領の盟友で、国防大臣や副首相として政府に入っていた。BBCはTantawi氏のプロフィールを紹介している。
http://www.bbc.co.uk/news/world-middle-east-12441512
1935年、ヌビア族の生まれである。1956年に歩兵として入隊し、兵士としてその年のスエズ動乱や、1967年と1973年のイスラエルとの戦争にも参加している。1991年の湾岸戦争ではアメリカを中心とする連合国側についた。1995年以後はgeneral commendarとなった。ムバラク退陣を呼びかける抗議デモの際は民衆を弾圧しなかった点が評価されている。
SCAFは抗議者たちには正当な要求に応じることをを約束し、国際社会に対しては過去の条約を守ることを約束しているという。1979年にイスラエルと結んだ条約もそのまま維持すると言明したという。これはアメリカとイスラエルにとっては安心材料となっているとようだ。
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