2011年11月21日19時53分掲載  無料記事
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欧州

スペインで政権交代  民衆党が社会労働者党を破る

  11月20日、スペインで下院選挙が行われ、民衆党(PP)が社会労働者党(PSOE)を破った。下院の定数は350人で任期は4年。選挙結果はPPが186議席と過半数を単独でしめ、PSOEは110議席にとどまった。この結果、2004年4月から8年続いた社会労働者党政権は終止符を打った。スペインではこれから新首相を選び、閣僚を決めることになる。エル・パイス紙では勝利を祝うPSOEのマリアノ・ラホイ(Mariano Rajoy)党首の写真が掲げられた。ラホイ氏が新首相に就任すると見られている。 
http://politica.elpais.com/politica/2011/11/21/actualidad/1321832133_971045.html 
  目下、スペインの課題は財政危機である。日本の外務省によると、スペイン経済は以下のような経緯で悪化した。 
 
  「サパテロ政権発足後の3年間(2004年〜2006年)は、年率4%強という高い成長率を享受してきたものの、主に成長をけん引してきた住宅建設部門のバブルが崩壊したことによる低迷を受け、2007年半ば以降、経済は急速に悪化し、失業問題が顕在化(2011年第1四半期の失業率は21.3%)、財政収支赤字も拡大する。かかる状況に如何に対処するかがサパテロ改造内閣の最大かつ喫緊の課題となっている。」 
 
  しかし、サパテロ首相(社会労働者党:PSOE)の支持率は4月に急落し、選挙をどのタイミングで行うかが政権維持のポイントとなっていた。サパテロ首相は7月に雇用が上向いたのを機に4か月前倒しして選挙を行うことに決めた。しかし、スペイン国民は政権交代を選択した結果となった。しかも、11月20日の選挙直前にスペイン国債の保証コストが過去最高を記録するなど、タイミングは社会労働者党にとってはむしろ悪い結果となった。 
 
  「11月17日(ブルームバーグ):17日のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場では、スペインとフランスの国債を保証するコストが上昇し、過去最高を記録した。同日の国債入札で両国の借り入れコストが上昇したことから、リスク意識が高まった。CMAによると、ロンドン時間正午(日本時間午後9時)現在、スペイン国債のCDSスプレッドは26ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の496bp、フランス国債のスプレッドは9.5bp上げ236.5bpとなった。スプレッド上昇は信用の質が劣化したとの認識を示唆する」(ブルームバーグ)http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920013&sid=ak.t_UehzYq0 
  欧州ではギリシア危機に端を発し、イタリアやスペインにも危機が波及している。スペイン国債に対する保証額も高騰していた。 


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