2011年12月01日00時27分掲載
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中東
英国がテヘランの大使館を閉鎖 外交官引き揚げ イランにも求める イラン人が英大使館秘密資料を持ち逃げか
イランをめぐる動きがますますきな臭くなりつつある。ニューヨークタイムズには昨日付で次のような記事が出た。
’Britain said on Wednesday that it had closed its embassy in Tehran, withdrawn all its diplomats and ordered Iran to do the same within 48 hours at its own diplomatic mission in London in the worst rupture of relations in decades. ’
英国がテヘランの大使館を閉鎖し外交官を全員引き揚げさせたというのである。さらに、イランにも48時間以内に同じことを求めた。つまり、ロンドンにあるイラン大使館の閉鎖とイラン人外交官の引き揚げを求めたのである。
両国にとって、過去数十年で最悪の事態となっている。その原因となったのはイラン人たちがテヘランの英国大使館や大使館宿舎に乱入し、「英国は死ね」と叫んだり、英国旗を破ったりしたことにあるようだ。これは英国がイランに課した経済制裁に対する報復と見られており、抗議の背後にはイラン国家がいると英国では見ているようである。
http://www.nytimes.com/2011/12/01/world/middleeast/british-embassy-iran-diplomats-evacuated.html?_r=1&hp
ニューヨークタイムズによると、イランが敵視している国はイスラエル、米国、英国であり、このうち大使館をイランにおいているのは英国だけだった。だから、3国に対する不満を晴らすのに英大使館を狙ったと見る。
一方、英国の新聞インディペンデント紙には中東に詳しいロバート・フィスク記者が寄稿している。タイトルは’Sanctions are only a small part of the history that makes Iranians hate the UK ’(経済制裁はイラン人が英国を憎む理由の一部に過ぎない)だ。
http://www.independent.co.uk/opinion/commentators/fisk/robert-fisk-sanctions-are-only-a-small-part-of-the-history-that-makes-iranians-hate-the-uk-6269812.html
過去に英国がイランの内政に干渉してきた歴史をフィスク氏は列記している。たとえば1953年に民主的に選ばれたモサデグ政権を米国が転覆させた時も、英国が一枚噛んでいたことなどである。この時はモサデグが英国がイランに保有していた石油権益を国有化したことが原因だった。
’The mass of US secret documents found after the American embassy was sacked following the Iranian revolution proved to the Iranians not only Washington's attempts to subvert the new order of Ayatollah Khomeini but the continued partnership of the American and British intelligence services.’
フィスク記者によれば1979年にホメイニ師の革命が成功した後、テヘランの米大使館から大量の秘密資料が発見されたが、そこには米国と英国の諜報機関が密接に対イランで協働していたことが明らかになったという。こうしたことがイラン人の中に英国に対する憎しみを積み上げてきたのであり、単なる一過性の経済制裁にとどまるものではないと見る。
’Anyway, the Iranians trashed us yesterday and made off, we are told, with a clutch of UK embassy documents. I cannot wait to read their contents. For be sure, they will soon be revealed.’
そしてフィスク記者はイラン人たちは英国大使館から山盛りの資料を持って逃げたそうである。フィスク氏はどんな資料が出てくるのか、もうじき公開されるだろうが、それを読むのが楽しみだと記事を閉めている。
■イラン包囲網 〜5ヵ国の合同作戦が仏誌で報じられる〜
「ウィキリークスが紙面を大々的に飾ったのは11月30日だった。その直後に出た12月2日―8日号のル・ヌーベル・オプセルバトゥール誌(フランス)には「イランに対する秘密の戦争」と題された特集記事が出た。記事ではイスラエル、アメリカ、フランス、ドイツ、英国の情報機関が連携し、必死になってイランの核開発阻止を目指している話が紹介されている。
「影の戦争のキーマン」として紹介されているのは以下の5人である。Leon Panetta (オバマ政権のCIA長官)、 Meir Dagan(シャロン政権時代にモサド長官になり、対イラン作戦に従事)、Sir John Sawers (英国の情報機関 MI6長官)、Eard Corbin de Mangoux (フランスの情報機関DGSE長官)、Ernst Uhrlau (ドイツの情報機関 BND長官)。」
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201012132316461
■ウィキリークスとイランのミサイル技術
「今回、ウィキリークスが流した一連の米外交公電の中で、最もインパクトが大きかったのはイランが北朝鮮からミサイル19基を入手したという今年2月24日の公電と、サウジアラビアがイラン攻撃をアメリカに勧告していた、という公電であろう。」
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201012041809496
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