2011年12月26日19時40分掲載
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医療/健康
発達障害に米ぬかが効果 ADHD、アスペルガー症候群など 劇的な改善例も
米ぬかに多く含まれるポリフェノールの一種であるフェルラ酸が、人間の脳内で特別な働きをするらしいことが最近の研究で明らかになってきている。東京の「ストレスケア日比谷クリニック」院長で精神科の酒井和夫医師が12月11日、大阪大学で開かれた日本機能性食品医用学会で発表した論文によると、物事に集中できない多動性障害(ADHD)や人との自然なコミュニケーションが取りにくいアスペルガー症候群など発達障害の治療に有効との臨床結果が得られたという。これまでにもフェルラ酸は中村重信・広島大名誉教授が2008年に発表した論文で、アルツハイマー病の認知機能低下を抑制する効果があることが分かっていた。(高瀬宏)
酒井医師は「アルツハイマーに効果があれば、他の障害にも効果があるのでは」と考え、ADHD、アスペルガー、知的障害を含む発達障害、うつ病などの疾患を持つ計52人の患者にフェルラ酸を1日50ミリグラム〜150ミリグラム服用させて経過を観察した。
すると、52人中14人の症状が顕著に改善、33人が軽〜中度改善、効果なしは5人だった。特にADHDとアスペルガーでは全員が軽〜中度以上改善した。
1日50ミリグラム服用後わすか一週間で「できる事とできない事の差が極端」「何かを説明するのが困難」など問題症状すべてが改善されたADHD患者もいた。他にも劇的といえるほどの効果が現れた例が複数あった。
酒井医師は「ADHD治療薬のリタリンやコンサータなどと比べ、副作用は一切なく、治療法がなかった発達障害にも効果が見られた」と指摘。「フェル酸は不十分な神経回路の成長に促進的に働くのではないか」と分析している。
米ぬか100グラム中にはフェルラ酸が523ミリグラム含まれている。
フェルラ酸を抽出した健康食品もあるが、米ぬかそのものを1日10〜20グラム摂取すれば「十分効果が期待できる」(酒井医師)という。
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