2011年12月28日17時14分掲載
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コラム
売れている出版社に学ぶこと 鬼塚忠
最近、腰を抜かすほど驚くことがありました。
12月も毎日のように忘年会。その半分は出版関係者の集まりですが、右も左も話題になるのは「未曾有の出版不況」。しかし最近ある場所へ行ったら、そこだけは不況ではなかったのです。
岩波セミナールームで開催された、「一万年堂出版の本作りに学ぶ」という勉強会。
この出版社の実績に度肝を抜かれました。
「輝ける子」36万部
「思春期にがんばっている子」20万部
「翼ひろげる子」11万部
「この子はこの子でいいんだ。私は私でいいんだ」12万部
「子どもの心」7万部
「子育てハッピーアドバイス」110万部
「子育てハッピーアドバイス2」63万部
「子育てハッピーアドバイス3」48万部
「子育てハッピーエッセンス」19万部
「10代からの子育てハッピーアドバイス」23万部
「忙しいパパのための子育てハッピーアドバイス」37万部
などなど、延べ19点、累計で497万部。平均して一冊当たり26.15万部という驚異的な数字。おそらく出版社の平均の20倍は売れているのではないでしょうか。
そこの山崎豊編集部長さんが二時間、彼らの成功事例をおしみなく話してくれたのです。これが7千円。しかしこの内容は100万円出しても惜しくないほど濃いもの。よくもまあここまでお話しして下さいました、と深く感謝です。非常にためになる。参考にできるポイントが次から次に出てきて、この販売手法を参考にすれば自分たちも、もっともっとできるはず。そう思わせてくれるセミナーでした。
出版界の人たちは、セミナーに通ったり、他社の成功事例をあまり参考にしない業種だと勝手に思っていますが、そこが改善されればもっともっと伸びるはず。
話によると1万年堂出版の方々は、元々は富山の出版社で、東京に出てきて勝負をかけたのがつい最近。もしかするとそこが成功の秘訣かもしれないと思ったのです。
東京の出版業界人は、ふたり集まれば"出版不況"の言葉が出ますが、彼らはそういうことに毒されていない、そこがいいのではないでしょうか。出版界も上を見れば、まだまだすごい人たちがいます。
彼らの手法を参考にして、私たちも少しでも多くの書籍を売りたいと思っています。
来年のことを言うにはちょっと早いかもしれませんが2012年が楽しみです。
来年もよろしくお願いいたします。
鬼塚忠 作家・出版エージェント
「アップルシード・エージェンシー」代表
http://www.appleseed.co.jp/
■日刊ベリタ編集部から
鬼塚さんの小説「カルテット!」が映画になりました。映画化にあたって鬼塚さんも共同脚本という形で参加しています。
被災地・浦安から生まれた家族の再生の物語です。
12月17日〜シネマイクスピアリで先行ロードショー、
1月7日〜全国ロードショーの予定です。
http://www.youtube.com/watch?v=OR2f2a46n8k&feature=player_embedded
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